ノート:西院村

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読み仮名について[編集]

利用者:113.32.216.172会話 / 投稿記録 / 記録さんがこちらの編集[1]で要約欄に「文献『西院の歴史』『西院昭和風土記』によると『さい』です」という記載をされておりましたので、現物に当たってみました。

小沢嘉三『西院の歴史』(西院の歴史編集委員会、1983年)は、国立国会図書館デジタルアーカイブスに収録されており、全国の指定図書館で電子データを閲覧できます。「西院」の読み方に関する記述は同書の5-6ページに記載があります。以下に関係する箇所を引用します。

西院の呼び名について、現在は普通に字の通り「さいいん」と呼んでいる。別に「さい」「さいん」ともいう。土地の人は古くから「さい」西院村を「さいむら」と云っていた。公称は「さいいん」である。昭和九年京都府告示によって「さいいん」が公称化された。旧軍隊の点呼の時も「さいいん」以外は許されなかった。

「さいむら」はあくまで「土地の人の呼称」であって、行政機関の読み方が「さいむら」であったとは書かれておりません。むしろ京都市への合併後に公称化されたり、軍隊での点呼が「さいいん」だったなど、公的機関の呼称としては「さいいんむら」であったと思わせる蓋然性が高い内容です。なお同書のその後の箇所には「起源は『さいいん』なのである」とあり、「西院」という地名の元々の呼び名が「さいいん」で、それがその後の転訛で「さい」になったという見解が示されています。

『西院昭和風土記』(西院昭和風土記刊行委員会、1990年)は、京都市立図書館に複数蔵書があり、京都市立右京中央図書館の蔵書を確認してきました。こちらの本には自治体としての「西院村」の読み方に関する記述は全くなく、ただ、林良男という方の記述に西院小学校の記念誌(1933年発行)からの引用として「西院は『さいいん・さいい・さい』といったが、その起源・由来・変遷は未詳である」と記されているにすぎません(同書p.117)。

以上を総合するに、これらの書物に1889年に発足した自治体名の公的な読み方が「さいむら」であったという記載はなく、113.32.216.172さんは十分な確認をされずに虚偽もしくは誤認で要約欄を記されたと言わざるを得ないと私は判断します。

なお、市町村制施行以前の「西院村」について、『日本歴史地名大系 27巻 京都市の地名』(平凡社、1981年)には「さいいんむら」という読み仮名で記載されている(同書p.1022)ことも付け加えておきます。--Unamu会話2017年8月17日 (木) 08:48 (UTC)[返信]