ノート:藪原検校

ページのコンテンツが他言語でサポートされていません。

「二代目藪原検校」は井上ひさしの創作ではない[編集]

「初代藪原検校は実在の人物だが、その二代目に関する資料はなく、すべて井上の創作による偽評伝だった。研究者から「2代目がいるとは知らなかった」と自らの不明を恥じ、教えを請う手紙が来てあわてたと単行本のあとがきにある。」とあるのですが、「二代目藪原検校」は井上ひさしの創作ではありません。というのも、「藪原検校」は、もともと「初代藪原検校の弟子・杉の市が、師匠を殺害して二代目を名乗り、悪事の限りを尽くす」という講談の演目だからです。井上以前に初世蓁々斎桃葉『藪原検校』(1893年、講談速記)、3世河竹新七『成田道初音藪原』(1900年、歌舞伎)などがあります(たとえばコトバンクの「藪原検校」を参照)。井上の記述は未確認なのですが、少なくとも上記の個所には何かの勘違いがあるのではないかと思われます。--Sorafumi会話2017年5月7日 (日) 07:59 (UTC)[返信]

『藪原検校』(新潮社、1974年)の「二通の手紙――あとがきにかえて」を確認し、上述の引用が同書198-199頁の適切な要約であることを確認しました。
となると、井上ひさしが「あとがきにかえて」に書いた内容自体が、巧妙なフィクションなのではないかと思われます。実在しない初代藪原検校について「かなりのところまで調べがついている」と述べる一方で、その二代目については皆目知らないので恥を忍んで教えてほしい、と言ってくる研究者がいるとは考えにくいからです。たぶん誰かが指摘してると思うんですが……。
(ちなみに、『中央公論 歴史と人物』第3号には確かに井上ひさし「藪原検校」が掲載されていますが、目次では「新鋭創作シリーズ」と書かれており、注意すれば小説であることがわかるようになっています。国立国会図書館デジタルコレクションで目次を確認できます。)--Sorafumi会話2017年5月8日 (月) 15:51 (UTC)[返信]
扇田昭彦『井上ひさしの劇世界』(もとは新潮文庫版『藪原検校』の「解説」)等をもとに、講談・歌舞伎のキャラクターとしての藪原検校の来歴、および井上ひさしが参考とした資料について簡単に加筆しました。--Sorafumi会話2018年1月3日 (水) 09:44 (UTC)[返信]