ノート:幽霊文字

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項目の名称を「幽霊字」から「幽霊文字」に改める提案[編集]

「幽霊字」を「幽霊文字」に改める理由は二つあります。第一に、幽霊文字の研究の第一人者である笹原宏之が「幽霊文字」を使っていることです。第二に、Googleのヒット件数でみて、「幽霊文字」は「幽霊字」の2倍弱使われていることです。

つぎは、一連の研究のさきがけとなった笹原 宏之、JIS漢字と位相、日本語学、第7巻、第12号、pp. 75—85、1993年からの引用です。

「幽霊会社」「幽霊部員」のように、実際には存在しないが、あたかも存在しているようにみせかけたものを指す語がある。同じように、ことばの面でも、辞書には載せてあるが、典拠がみつからず、かつ実際に使用された証拠もなく、現実に存在しないようなことばや語形があり、「幽霊語 (ゴースト・ワード)」といわれる

同様に、「辞書や文字表の類に載せてあるが、典拠がみつからず、かつ実際に使用された証拠もなく、現実に存在しないような漢字式の字形や字体」を幽霊文字とよぶ。ほかには用例がない字、指定されたところにない字、音訓などが不明な字、誤解・誤伝により生じた字などもそうよびうる。

つぎは、笹原 宏之、JIS漢字における国字・新字・異体字の典拠: JIS漢字幽霊文字研究序説、文化女子大学紀要: 人文・社会科学研究、第3号、pp. 縦1—縦15、1995年からの引用です。(以下の「〓」は、原文における図形に代用するものです。)

「幽霊会社」、「幽霊数字」、「幽霊部員」のように、実際には存在しないが、あたかも存在しているようにみせかけたものを指す語がある。「幽霊人名」(佐久間英『珍姓奇名』) のように類推した新語も作られている。同じように、ことばの面でも、辞書には載せてあるが、典拠がみつからず、かつ実際に使用された証拠もなく、現実にも存在しなかったようなことばや語形がある。「幽霊語」といわれるものがそれである。

本稿では、「幽霊語」になぞらえて、「辞書や文字表の類に載せてあるが、典拠がみつからず、かつ実際に使用された証拠もなく、現実に存在しなかったような漢字式の字形や字体」を幽霊文字とよぶ。ほかには、酒井憲二「写本と版本の一つの谷間」(『佐藤茂教授退官記念国語学論集』(一九八〇)) に挙げられた「〓」<「円」のように誤伝により生じた字、『今昔物語集漢字索引』(一九八四) における「畑」のように指定されたところにない字、用例が発見されない字、音訓が不明な字なども幽霊文字とよびうるであろうが、ここでは取らない。

また、誤りではなく、逆に理論的に仮設された字がある。たとえば、加藤常賢『漢字の起源』(一九七〇) に「〓」がある。「この形の字は説文にはないのであるが、ここにあげた「還」「遠」の字形から言えば、かつて存在した字でなければならぬ。この字は、字形から言えば「衣に従い○ (円・圏) の声」の形声字でなければならぬ」、「古書中にこの字は見えていない。したがって使用例がないから (字義は) わからぬ」などという。また、篆書をきわめて忠実に楷書体に改めた正字体の中にも、用例のなかった字体が生じる。例えば、唐代の『五経文字』、『九経字様』に「〓」(牙)、「〓」(爵) の類が見られる。これらも幽霊文字ともいえるが、ここでは取らない。

つぎは、笹原 宏之、字体に生じる偶然の一致: 「JIS X0208」と他文献における字体の「暗号」と「衝突」、日本語科学、第1号、pp. 7—24、1997年の注5です。ただし、原文のコンマを読点に改めました。

「幽霊漢字」という語が小駒勝美氏により使われていたが、筆者は「幽霊文字」を用いた。幽霊文字への言及は笹原 (1996) に掲げたほか、川井敏弘 (1980)「IBM漢字システム文字セットの背景」(『IBM REVIEW』78)、神田百合枝 (1987)「中国語文献データベース化における漢字処理について」(『学術情報センター紀要』1)、斎藤秀紀 (1988)「漢字情報データベース」(『国立国語研究所報告』94)、池田証寿 (1995)「JISの漢字と内陸文化」(『信州大学人文学部 特定研究最終報告書』)、池田証寿 (1996)「古辞書研究とJIS漢字」(『1996年度「人文科学とコンピュータ」シンポジウム 資料集』)、當山日出夫 (1995)「JIS漢字と辞書」(語彙・辞書研究会での発表、1995.11) や、「fj.kanji」での議論 (1994 池田証寿氏資料) に見られる。「幽霊語」は、酒井憲二 (1995)『甲陽軍艦大成』4にも例が挙げられている。

Googleで検索した結果、次のようなヒット件数が得られました。「ウェブ全体」を指定し、キーワードを引用符で囲んで検索しました。

  • 幽霊文字 571件
  • 幽霊漢字 268件
  • 幽霊字 307件

以上の理由により、項目名称は「幽霊文字」が適当と思います。--Kimura Aichi 2007年3月4日 (日) 23:00 (UTC)[返信]

提案から1週間が過ぎました。特に異論はないようですので、幽霊文字への変更を決行します。--Kimura Aichi 2007年3月11日 (日) 23:21 (UTC)[返信]

「軅」という字は使われます[編集]

あの字を見た瞬間、見覚えがあって(元々私の見た字は「軈」でしたけれど)「やがて」と入力したら、あの字が出ました。従って幽霊文字に分類するのは正しくないと思います。-- paisen 2009年1月10日 (土) 02:05 (UTC)[返信]

」は「やがて」の訓で諸橋大漢和にも載っています。「」はちがう字で、諸橋大漢和にはありません。後者についてはJIS X 0208:1997附属書7 2.166 (p.305。芝野耕司編著『増補改訂 JIS漢字字典』、日本規格協会、2002年、p.403に再録) を見てください。
ところでこうして見てみると「幽霊文字と考えられた漢字の例」には、別の意味で出典が必要になりそうです。というのは、上の軅のような字が「漢字字書に載っていなかったことから『幽霊文字』とされたことがある」ということが検証可能になっていないからです。 --Hatukanezumi 2009年1月11日 (日) 01:58 (UTC)[返信]

幽霊文字の定義[編集]

この項目は日本語として使用される漢字とされるもののうち使用されていないものを取り扱うという認識でよいのでしょうか? 粫、橸、垈は中国語では使用されているようなので文字として存在しないとは言えないように思えます。 --Wikikana会話2014年2月22日 (土) 16:28 (UTC)[返信]