ノート:善知安方忠義伝

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改名提案[編集]

利用者:三津川警部氏による2020年12月17日 (木) 05:27の編集で指摘された通り、記事名である『善知鳥安方忠義伝』は誤りであり、『善知安方忠義伝』が正しい名称のようです。以下、手の届く限り調査した結果を挙げますが、不足の点があればご指摘ください。

早稲田大学図書館が公開している刊本の写真を見ると、題簽こそ前編では『うとふ安方忠義傳』となっていて漢字が不明ですが、目録は「善知安方忠義傳前編總目録」、内題は「善知安方忠義傳前編卷之一」と記され、本文中でも人物名は一貫して「善知安方」と書かれています。著者が金水に変わった第二編と第三編は、題簽も『善知安方忠義傳』になっています。

新日本古典籍総合データベースでも、「善知鳥安方忠義伝」で検索すると該当ゼロですが、「善知安方忠義伝」で検索すれば27件のヒットがあります。国立国会図書館にも『善知安方忠義伝』の名称で登録されています。

タイトルを『善知安方忠義伝』とした文献は以下の通りです。

叢書(本文収録)
  • 叢書江戸文庫18 山東京伝集(佐藤深雪校訂、国書刊行会、1987年8月)底本は向井信夫所蔵、5頁
  • 山東京伝全集 第十六巻 読本2(山東京伝全集編集委員会編、編者代表は水野稔、ぺりかん社、1997年4年)徳田武解題、底本は鈴木重三所蔵、173頁
辞典・事典
  • 日本古典文学大辞典(岩波書店、1983年10月)清水正男執筆、第1巻306頁
  • 日本古典文学大事典(明治書院、1998年10月)佐藤深雪執筆、108頁
論文類
  • 山東京伝(宮武外骨、國書刊行會、1916年11月)85頁
  • 『善知安方忠義伝』の素材、構成など(鈴木敏也、佐佐木博士還暦記念会『日本文学論纂』、1932年6月)
  • 山東京伝年譜稿(水野稔、日本近世文學會『近世文藝』(13) 85頁、1967年4月)
  • 善知安方忠義伝について(清水正男、日本文学研究会『文学研究』(27) 81頁、1968年5月)
  • 柴田恵理子
    • 『善知安方忠義伝』と演劇(日本女子大学大学院の会『会誌』(4) 12頁、1983年8月)
    • 『善知安方忠義伝』と『前太平記』(日本女子大学国語国文学会『国文目白』23、1984年2月)
  • 読本の世界 江戸と上方(横山邦治編、世界思想社、1985年7月)柴田美都枝執筆、39頁、40頁
  • 善塔正志
    • 「善知安方忠義伝」の主題意識――自他の関係を通して(關西學院大學日本文學會『日本文藝研究』43(4) 23頁、1992年1月)
    • 『善知安方忠義伝』滝夜叉姫の造型(關西學院大學日本文學會『日本文藝研究』56(1) 20頁、2004年6月)
  • マージナル・モザイク 山東京伝「善知安方忠義伝」(小池正胤、學燈社『國文學 : 解釈と教材の研究』37(9) 98頁、1992年8月)
  • 『本朝酔菩提全伝』『善知安方忠義伝』における〈地獄絵・地獄信仰〉京伝考証における認識・主題形成と読本作品(井上啓治、『The Edo bungaku』(10) 85頁、1993年)
  • 江戸読本の研究――十九世紀小説様式攷――(髙木元、ぺりかん社、1995年10月)71頁
  • 『善知安方忠義伝』攷――京伝読本の方法(本多朱里、読本研究の会『読本研究新集』第二集 79頁、1998年11月)
  • 『善知安方忠義伝』研究 : 浮遊し続ける亡霊〈善知安方〉の悲劇(布施茉莉子、『日本文學』(105) 65頁、2009年3月)
  • 山東京伝 ――滑稽洒落第一の作者――(佐藤至子、ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ日本評伝選〉、2009年4月)178頁、182頁、262頁
  • 京伝と馬琴(大高洋司、翰林書房、2010年5月)241頁など
  • 中編読本解題 : 馬琴京伝(徳田武、勉誠出版、2012年3月)415頁など

逆に『善知鳥安方忠義伝』としたものは以下の通りです。

伝記
  • 山東京伝(小池藤五郎、日本歴史学会編、吉川弘文館、1961年7月)285頁、293頁
年表
  • 日本文學者年表續篇(森治藏、大日本圖書、1919年4月)346頁
  • 山東京伝研究文献集成(中山幹雄、高文堂出版社、2000年5月)88頁
辞典・事典
  • 大辭典(下中彌三郎編、平凡社、1934年9月)第3巻412頁
  • 日本文學史辭典(近藤忠義ら編、日本評論新社、1954年10月)840頁および年表56頁
  • 岩波小辞典 日本文学 -古典-(高木市之助編、岩波書店、1955年9月)18頁、203頁
  • 改訂新版 日本文學史 近世(久松潜一編、至文堂、1964年6月)646頁、649頁
  • 西脇哲夫執筆
    • 大百科事典(平凡社、1984年11月)第2巻299頁/世界大百科事典(平凡社、1988年3月)第3巻299頁、同文
    • 新版 日本架空伝承人名事典(平凡社、2012年3月)「善知鳥安方」項
  • 大辞林 第二版(松村明編、三省堂、1995年11月)/スーパー大辞林3.0(三省堂、大辞林 第三版〈2006年12月〉をもとに増補)
  • 日本国語大辞典 第二版(日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編、小学館、2000年12月)第1巻
  • 精選版 日本国語大辞典(小学館国語辞典編集部編、小学館、2005年12月)第1巻
  • デジタル版 日本人名大辞典+Plus(講談社、2015年、日本人名大辞典〈2001年12月〉をもとに追加修正)
  • デジタル大辞泉(小学館、2016年4月、大辞泉 第二版〈2012年11月〉をもとに増補改訂)

なお広辞苑(新村出編、岩波書店)は、第三版(1983年12月)の時点では『善知鳥安方忠義伝』と掲載していましたが、第四版(1991年11月)以降『善知安方忠義伝』に改めています。

江戸時代に刊行された原本をはじめ、その本文を収録した叢書・全集や、本文を主題として俎上に載せた専門的論考などが前者を採っていると言えます。後者としたものは辞書・事典・年表類に多く、論文には見当たりませんでした。

思うに、伝説上の鳥の名前こそ「善知鳥安方」であり、本作の登場人物は「善知安方」、題は『善知安方忠義伝』が正当であるところを、混同が起きて世俗に広まったものでしょう。当記事は『善知安方忠義伝』に改名のうえ、『善知鳥安方忠義伝』はリダイレクトとして存置するのが妥当と考えます。--うらにわ会話2021年5月5日 (水) 13:15 (UTC)[返信]

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