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ノート:但馬弁/過去ログ1

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「行くだ」[編集]

「行くだ」の出典を教えてほしいとの要請がありました。但馬で「だ」が用言に直接付くという記述は、記事の参考文献として示しました『日本列島方言叢書17 近畿方言考5 兵庫県』の60ページ、「兵庫県方言」の「助動詞」の章にあったと思います(本は図書館に返してしまい、今手元には軽いメモしかなく、ページは間違っているかもしれません)。『講座方言学 7 近畿地方の方言』の「兵庫県の方言」の中にも書いてあったかもしれません。本には例として「行きますだ」「書くだがな」が挙げられています。「行くだ」という例文そのものは、温泉町出身の私の母が、「普通に使う」と言っているものです。この短い文で出されると不自然な文に見えるかもしれませんが、「どこ行くだあ?」や「どこ行っとっただか?」ならどうでしょうか?音韻の章の中にある「しぇえでええだか?」もこれと同じ類のもので、これは温泉町に住む祖父母の発言です。--Henlly2010年3月21日 (日) 12:40 (UTC)

ご教示ありがとうございます[編集]

そういう言い方は耳にしたことがあります。ただ、私自身、新温泉町は仕事上、行くことがないのと、親しい知り合いがいないため、そのあたりの言葉には自信はありません。本やサイトで読んだことくらいしかわかりません。 --言葉好き人間 2010年3月23日 (火) 11:21 (UTC)言葉好き人間

確認してみたところ、『講座方言学 7 近畿地方の方言』には書いてありませんでした。--Henlly2010年3月24日 (水) 01:02 (UTC)

「行くだ」という例を復活させてもいいでしょうか。「どこ行っとっただか」などよりもシンプルな例だと思うのでこれにしたいのですが。--Henlly2010年4月10日 (土) 08:44 (UTC)

 お返事が遅くなったことをお詫びします。「行くだ」を復活させていただいてよいと思います。ただ、言葉にはシチュエーションがありますので、単独で「行くだ」を載せるより、「どこ行くだ」「どこ行くだあ」などの方がわかりやすいと思います。後者の例文のように「だ」より、「だあ」と長音化された語形の方が但馬「らしい」と思います。(「らしい」は客観性に欠けますね。)「どこ行っとっただか」もいいと思いますが、私が知るところでは、この表現は新温泉町と香美町香住区のみの使用です。つまり、但馬色より、因幡色が濃い表現です。--言葉好き人間 2010年4月17日 (土) 12:21 (UTC)言葉好き人間

いえいえ。ご返答ありがとうございます。たしかに、文脈が分かったほうがいいですね。「どこ行くだあ」にしたいと思います。--Henlly2010年4月17日 (土) 12:58 (UTC)

「豊岡市などには古い表現が残る」に対する疑問[編集]

「概要」の章の「豊岡市などには古い表現が残る」という記述は怪しいと思います。出典となっている神戸新聞の記事は、「しけえ」が豊岡にあるから古いとしていますが、「『しけぇ』は『けぇ』圏外にあることから古い言葉といえる。」という短絡的な判断が信用できません。「けえ」は中国地方に広く分布している言い方だからです。そもそも豊岡は但馬の中心都市です。そこの言葉が但馬で一番古いとは思えません。--Henlly2010年3月26日 (金) 15:16 (UTC)

会話ページに連絡をいただいていましたが、反応が遅れましてすみません。
さて、「神戸新聞の記事は…信用できません」とのことですが、ウィキペディアでは情報それ自体が正確であると認められるかどうかに拘わらず、他の信頼できる情報源によって発表された事柄のみを発信することになっていまして(Wikipedia:独自研究は載せない)、(記事の中身が真実かどうかという)種の調査をしないよう強く求められます。なぜならウィキペディアでは独自研究(オリジナル・リサーチ)を発表してはならないからですWikipedia:検証可能性)。
このため、神戸新聞が信頼できる情報源たるかどうかに依存します。神戸新聞が信頼できる情報源ならば、個別の記事が正確かどうかによらず(必要に応じて)採用できますし、信頼できない(タブロイド紙並の信頼度?)のであればウィキペディアの解説においても出典としてふさわしくない(もしもその情報が重要で残す値打ちがあるものならば、それをくだんの情報源によるものと明示して書くこともできる)、ということになるわけですね。
「古い表現」について、神戸新聞で最僻地と確認できるわけですが、元の記述である「旧村岡町・美方町・関宮町などには古い表現が残る」はどうでしょうか。学術雑誌などに記載されているのであれば、新聞報道よりも学術論文の方が情報源としての質が高いと思いますので(Wikipedia:信頼できる情報源)、単にそれを出典として訂正すればよいだけだと思います。もっとも、この場合でも情報源のアクセス容易性は新聞記事(ウェブサイト)の方が遙かに高いので、何らかの補足を行っておいた方がよいかも知れませんが…。
また、仮にそれぞれ信頼性のある情報源Aと情報源Bで正反対の説明になっていたとすると、ウィキペディアでは編集者がどちらが正しいかを判断して取捨選択するのではなく、両方を公平に取り上げるべき、ということになります(Wikipedia:中立的な観点)。
従って検討する必要があるのは、1.「古い表現」に関する他の情報源があるか、2.他の情報源がある場合、神戸新聞との権威の違いがあるか、3.ウィキペディアにおいて神戸新聞は信頼できる情報源であるかないか(これはWikipedia‐ノート:信頼できる情報源あたりに振った方がよいかも)、ということになるかと思います。--Mujaki 2010年4月2日 (金) 18:09 (UTC)

記述は参考文献に示しました『日本列島方言叢書17 近畿方言考5 兵庫県』の「兵庫県方言」に基づきます。この中で、旧村岡藩域では「言語も最も古い様相を保持している」とあります。また、「因幡の国府に到るには、但馬を通らないで、播磨から美作を越える道を用いたものと思われる。但馬の場合、…円山川を下って湯島に到る道や、出石に行く道が栄え、八木(八鹿)、熊次(関宮)、射添(村岡)、出合を経て因幡に到る道はさびれていたことが想像されるのである」とあり、神戸新聞と矛盾しています。

この叢書は学術論文を集めたものであり、ネット上の新聞よりも情報源として信頼できる、権威があるものです。「けえ」の使用地域も、叢書の中の「たじまことば」によれば新温泉町と香美町香住区余部地区のみです。--Henlly2010年4月3日 (土) 06:30 (UTC)

言葉好き人間から一言。仕事上、但馬、丹後、綾部等各地をまわっています。言葉は生き物です。学術論文等を信頼のおけるもの、とする考えもあるかと思いますが、より新しい情報を優先するという考えもあるでしょう。その観点では、Mujakiさんの出典も有効かと思われます。ただ、私の読んだ学術的な論文等、また実際に地域の人たちとの対話から得られた情報では、現在でも美方町、新温泉町照来地区あたりの言葉がもっとも古いといえます。関宮町と村岡町は人々の往来と婚姻関係が他地域と盛んになっているため、現実には古いとは言えません。(もっとも、こういうことはウィキペディアに載せるべきではありませんが。)言葉の伝播ですが、私が読んだ学術書(もう、はるか昔であることと、私自身の蔵書が多く、すぐに見つけられません)によると、京都から但馬への伝播は、山陰道から入ったものは旧美方町あたりで止まっています。また、新温泉町の春来峠で止まっています。山陰道からずれて、京都府福知山市や旧夜久野町から北上して旧但東町、旧出石町への経路、西進して旧和田山町(糸井地区)から峠を越えて旧出石町へ伝播しています。旧出石町から旧豊岡市への伝播は出石川沿いに容易であったと考えられます。因幡への伝播は播磨経由です。旧浜坂町、旧温泉町は因幡から東進して入ったものです。香美町餘部地区は現在でも旧浜坂町と深いつながりがあります。年配の方々は旧浜坂町の言葉そっくりです。理由助詞も「けぇ」です。ただ、年代が若くなるにつれ、豊岡市あたりとのつながりも強くなっています。三拍・四拍形容詞のアクセントも他の但馬と近くなっていますが、まだまが中輪系の平板式は残っています。餘部地区をのぞく香美町香住区は東と西の両方の影響を受けていますが、東の影響のほうが強いです。長々と述べましたが、新しい調査の文献をさがすのが大切かと思います。私の経験からすると、言葉の変化はここ10年ほどは、田舎である但馬といえども急速です。趣旨がずれてごめんなさい。--言葉好き人間 2010年4月3日 (土) 17:06 (UTC)言葉好き人間
Mujakiさんからの返答がなかなか得られません。しかし私としては、求めに応じ、「古い表現」に関する情報源を示しましたし、その情報源は神戸新聞よりも権威あるものです。言葉好き人間さんの「新しい情報を優先する」という考えも良いですが、今回の件には当てはまらないと思います。このまま返答がなければ、該当部分をコメントアウトします。--Henlly2010年4月17日 (土) 12:58 (UTC)
言葉好き人間です。『日本列島方言叢書17 近畿方言考5 兵庫県』は私も精読したことがあります。内容的に正確さがある論文集であると言えます。それを優先した方が、本サイトとしては適切です。より、新しい情報で、確信性の高いものが見つかれば、それを掲載するのがよいと思います。ただ、どこまでを「方言」と定義するかにもよると思います。伝統方言も変わりつつある現代、難しい問題かと思います。--言葉好き人間 2010年4月18日 (日) 10:52 (UTC)言葉好き人間
言葉好き人間から付け加えです。より新しい論文については、各大学の研究紀要にあります。但馬のものもあります。私はいくつか所有しているのですが、それを出すことは諸事情で遠慮させていただきます。--言葉好き人間 2010年4月18日 (日) 10:57 (UTC)言葉好き人間

該当記述をコメントアウトしました。--Henlly2010年4月21日 (水) 14:46 (UTC)

すみません、ずいぶんと時間がたちましたので、今更ですが…新聞報道よりも学術論文の方が情報源としての質が高いと思いますので(Wikipedia:信頼できる情報源)、単にそれを出典として訂正すればよいだけだと思います。もっとも、この場合でも情報源のアクセス容易性は新聞記事(ウェブサイト)の方が遙かに高いので、何らかの補足を行っておいた方がよいかも知れませんが…。としていましたように、信頼性の高い情報源があればそれに基づいて変更すればよい、という話でした。
もう削除されましたので、単なる情報ですが、関宮町(昭和の大合併)で記載するのはちょっと区切り方が大きいかなと思います。熊次地区は村岡藩でしたが、関宮地区は天領ですので。--Mujaki 2010年6月27日 (日) 14:35 (UTC)

「しけぇ」と「けぇ」について[編集]

 神戸新聞の記事のことは読んでいないためわからないのですが、「しけぇ」と「けぇ」は別ものなのではないのでしょか。豊岡市但東町あたりの年配の方々は、「さきゃー」をよく使われます。朝来市あたりの年配の方々は「さけぇ」を使われます。これは「さかい」と同じ系統だと思われます。それと同類なのが「しけぇ」だと推測されます。一方、「けぇ」は新温泉町辺りの方々が使われます。(あまりインフォーマントを持っていないため、自信はありませんが。)中国方言や四国方言に分布しているものであると思います。「けん」の類でしょう。これらが同類であるか、別ものであるかは議論があると思いますが。いずれにしても、どちらが新しいか、古いかは判断できないでしょう。--言葉好き人間 2010年3月26日 (金) 16:37 (UTC) 言葉好き人間

おっしゃる通り、「けん」「けえ」などは「故に」(けに)由来の言葉です(goo辞書「けん」参照)。鳥取県東部も「けえ」を用いますから、新温泉町の「けえ」はそことつながっています。「さけえ」などは「さかい」系統だと思いますが、「さけえ」から「さかい」が生まれたという説もあるため、どこまでが「さかい」系統でどこまでが「けに」系統か判断するのは難しいです。--Henlly2010年3月27日 (土) 11:25 (UTC)