ノート:ピックの定理

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en:Pick's theorem をほぼ和訳することにより、証明を加筆させていただきました。 ただ個人的には、この記述は冗長な割りに後半が粗く、余り良いとは思えません。 この程度の粗さで良いのなら、以下の論証で十分に感じますが、いかがでしょうか。


定理:格子点上にのみ頂点を有する平面上の多角形(以下「格子多角形」という) P において、内部にある格子点の個数を i(P)、辺上にある格子点の個数を b(P)、面積を A(P) とすると、

A(P) = i(P) + ½b(P) − 1

である。

証明:F(P) = i(P) + ½b(P) − 1 とおく。

P が、一辺を共有する 2 つの格子多角形 P' と P" に分割されたとする。 共有する辺上の点であって、P の内部にある格子点の数を c とする。

i(P) = i(P') + i(P") + c
b(P) = b(P') + b(P") − 2c − 2

だから、

F(P) = i(P) + ½b(P) − 1
= {i(P') + i(P") + c} + ½{b(P') + b(P") − 2c − 2} − 1
= F(P') + F(P")

である。 よって、F(•) には加法性がある。 S(•) に加法性があるのは、明らかである。

辺が軸に平行な任意の長方形 R を考える。 縦辺の長さ、横辺の長さを夫々 p、q とすると、

i(R) = (p − 1)(q − 1) = pq − (p + q) + 1
b(R) = 2p + 2q

だから、

A(R) = pq = i(R) + (p + q) − 1 = i(R) + ½b(R )− 1 = F(R)

である。

R を、対角線に沿って二つに分ければ、二つの合同な直角三角形が得られる。 F(•)、S(•) の加法性により、同直角三角形においても公式が成り立つ。 任意の多角形は、この様な直角三角形を組み合わせてできるので、同定理が成り立つ。

--のぼりん 2007年5月12日 (土) 13:16 (UTC)[返信]

英語版と大差無いと思います。
>任意の多角形は、この様な直角三角形を組み合わせてできる
というあたりは、この場合の直角三角形は、2 辺が座標軸と平行になる格子直角三角形のことで、多角形の辺と辺が近接している時などは、格子直角三角形への分割は厄介です。分割を邪魔するように、対辺の位置を変えることも可能です。図形の引き算まで認めるなら、準備が面倒ですね。素直に三角形分割から、いくのがいいと思います。英語版の悪いところは、同じ論法をまとめ切れていないとうことですね。なので、証明を書くのであれば、

単連結な格子多角形 X に対し、Xの面積を S(X)、X の内部にある格子点の数を i(X)、X の周にある格子点の数を b(X) として

F(X) := i(X) + 12 b(X) − 1

と置く。任意の単連結な格子多角形 X について

S(X) = F(X)

であることを主張するのがピックの定理である。

単連結な格子多角形 P の周上にある 2 つの異なる格子点 M1, M2 をとる。 M1, M2P の内部を通る線分、あるいは、P の内部を通り、格子点を経由する折れ線で結ぶ。この時できる 2 つの格子多角形を、P1, P2 とする。

補題
F(P) = F(P1) + F(P2)

面積の等式

S(P) = S(P1) + S(P2)

と補題から、次の事が分かる。

  1. S(P1) = F(P1), S(P2) = F(P2) ならば S(P) = F(P)
  2. S(P1) = F(P1), S(P) = F(P) ならば S(P2) = F(P2)
  3. P1P2 が、平行移動や、座標軸に平行である適当な直線に関する対称変換で互いに移りあい、 S(P) = F(P) ならば S(P1) = F(P1)
三角形に対するピックの定理
任意の格子三角形 T について、S(T) = F(T) が成り立つ。
単連結な格子多角形に関するピックの定理
任意の単連結な格子多角形は格子三角形に分割できるので、系 1 を繰り返し用いることにより、ピックの定理が成り立つことが分かる。

まだ、煮詰まってないですが、このような感じでどうでしょうか。証明などを書くときは、細かい計算を飛ばしても、全体の骨格が見えた方がいいですよね。--132人目 2007年5月16日 (水) 09:04 (UTC)[返信]