ノート:イボニシ

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写真の左上の個体はレイシガイではなく、同じイボニシのP型の個体です。また、多くの一般向け書籍ではイボニシの卵嚢で紫色がかったものを発生が進むにつれての着色として記述していますが、着色が起こっている卵嚢は乾燥その他の要因により中の胚が死滅し始めていたり、既に死滅してしまったものばかりで、正常な胚発生を起こしている卵嚢ではメラニンの褐色の着色が生じるのみです。この色の件は実際には1994年の私の九州大学理学研究科提出の修士論文では論じていますが、ちょっとアクセス困難な文献になってしまいますね。「独自の研究」になっちゃうかなぁ?--ウミユスリカ 2006年12月20日 (水) 05:09 (UTC)[返信]

訂正と有益な書き加えありがとうございました。卵嚢の変色については「独自の嘘」の流布に加担してしまい深く反省しております。またC・P型は興味深い例ですので、あまり良い出来ではない(特に小項目名)のですが、項を立てて書き加えさせていただきました。画像の貝ですが、左上のもイボニシでしたか。私にはレイシのように思われたのですが、いずれにせよ不確実な画像として撤去すべきかも知れません。
ところで、ご存知のようにHayashi(1999)は、二型しか出現しない田辺湾とは異なり、それ以外の日本の個体群では別の型が大半(たとえば80%以上)で、かつ少数見られるC・P型に似たものも田辺湾のそれとの関係は不明だとしておりますが、画像のような関東の個体群をC・P型とする例はあるのでしょうか?この論文からすでにだいぶ経っており、新たな進展があったのかと思われますが、よくわかりませんので、ご教示お願いいたします。210.227.243.121 2006年12月23日 (土) 06:23 (UTC)[返信]
私の方こそ、お礼を申し上げます。もう10年近く貝の研究からは遠ざかっており、社会教育だの昆虫学だの群集生態学だののリサーチしかしてないので、阿部さん以降の研究の進展を十分フォローしてません。少なくとも私が研究していた熊本県天草諸島の通詞島では、ほとんどP型(に似たもの)しか出現せず、なおかつ摂食行動はイワフジツボの集団の上にほぼ限られていました。ですから、阿部さんのP型に相当する可能性が極めて高いと見なしておりました。また九州大学天草臨海実験所近傍の内湾の岸壁で見られるイボニシは、C型に似ているものの紀伊半島のC型とは形態の印象がかなり異なっており、これら2つの型以外のイボニシも存在するのだろうなと推測はしておりました。ともあれ、この画像の個体は、紀伊半島でみられるC・P型のイボニシに酷似しており、少なくとも「C型様の個体」、「P型様の個体」ぐらいの表現は差し支えないと思います。また、レイシガイの場合はさらに疣が高く、かつ丸く隆起しており、色彩もはるかに淡色でほとんど白か薄いベージュ程度に見えます。ですから、レイシガイの可能性はかなり低いかと思います。--ウミユスリカ 2006年12月23日 (土) 07:31 (UTC)[返信]
さっそくのご教示ありがとうございます。上記質問の210.227.243.121です。C・P型とされた根拠が不明でしたが、了解いたしました。画像ですが、もし阿部(1985)の写真と説明を確認いただければ、左上の貝は結節の形もそうですが、結節以外が黒くない点でも、結節以外も広く黒くなるP型とは異なること、中央の2個(関東周辺でよく見られる型)もC型のように結節が尖らず(特に下の個体)、「その他の型」に相当することなどご理解いただけるように思います。また私には左上の貝はやはりレイシに見えます。とは言えこのような場合、私が正しいという保障も貴方が正しいという保障もないまま、当面は水掛け論に終始する可能性が高いことが明らかですので、左上の貝は不明とさせていただきました。おそらくこれが最も率直かつ正確な表現かと思われます。また、広い分布と多数の型を持つイボニシにとっては、田辺湾のC・P型はむしろ局地的で特異な例とも言えることと、本項が「田辺湾のイボニシ」ではなく単なる「イボニシ」の項であることから、他地域の個体を敢てC・P型に引き寄せて説明する必要もなく、場合によっては誤解を招くとも思われますので、中央の2個も単にイボニシというだけにしてみました。もし問題があるようでしたら、ご指摘いただき、また考えましょう。