チャナ (スポーツ)

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カスティーリャでのモリロの試合
D.ヴィエルジュ画 (1904年)

チャナ (西Chana) はスペインの伝統的なスポーツ。スペインの地方によって呼称やルールにもいくつかのバリエーションがあり、特にパレンシア県カスティーリャ地方で行なわれてきた[1]ものが著名である。他の呼称としては"Cuerno" "Morrillo" "Ahita" "Maceta" "Chana a morrillo" などがある[2]

発祥[編集]

スペイン語辞典(:es)によると、同じくスペインの伝統的なスポーツであるCalvaの起源もチャナに求められるとしている。前掲書によると、ローマによるイベリア半島の占領にも関連しているとされている。 ルールは時代と共に変化してきた[3]が、ゲームは通常平坦な草原または硬い地面で行なわれ、用具には2本の動物の角と1個のモリロが使われる。

用具[編集]

モリロ[編集]

各種のモリロ。刻み目が入れられている。
巧妙なゲームのためにモリロに微妙な加工を施す。

モリロは両端が丸みを帯びた円筒形の石である。「カント」または「マロス」とも呼ばれる。通常、表面は滑らかだが、競技者が持ちやすいようにキーと呼ばれる親指が入る刻み目を入れることがある。大きさはまちまちで、長さは10から20センチメートル、直径は6から8センチメートルくらい、重さは500グラムから最大3キログラム程である。近年、競技中にモリロが砕けることを避けるため、中空の金属管に砂を入れたモリロも使われるようになった。

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これは通常2本の牛の洞角が使われる。長さが約40〜50センチメートルで、太くてねじれているものが良いとされる。このような枝角を見つけるのが困難であることから、鋤の刃やセイヨウヒイラギガシの根、曲がった棒などを使用している地域もある[4]

目的とルール[編集]

クエルノ (角) の後部にモリロを当てる。

ゲームの目的は、角をめがけてモリロを投げ、モリロが地面にぶつかったり (ペーサーと呼ばれる)、他の障害物の助けを得ることなしに角を打つことにある[5]。 2本の角は、プレイヤーに弓状の背中を向けた形で互いに配置される。プレイヤーから角までの距離は15から25メートル程であるが、通常は21歩分とされている。各々の角の後ろには、反対側の角を打つプレイヤーが配置され、彼らは最初に一方に投げ、次に場所を変えて、もう片方に投げる。

チームとスコア[編集]

チャナはほとんどの場合2組のチームでプレーされるが、個人戦で行なわれる場合もあり、人数は地域によって大きく異なる。理想的な数は4人対4人である。得点は、モリロが地面に当たらずに角を打つと1ポイントが与えられる。各ゲームは通常18または21ポイントでプレイされ、引き分けになるたびに3ポイントずつ増やされる。スコアラーは通常、角が配置されている場所に立ち、疑わしい「ヒット」の場合は2人の助手と審議される。

普及[編集]

ビリャメレンドロ (:es) の守護聖人祭で2013年8月14日に開催されたチャンピオンシップでのモリロの試合。

大会が開催されている地域[編集]

モダリティ[編集]

特定の地域では、チャナがヒヨコマメを指す場合とモリロを指す場合とで2つの異なったルールがある。

  • ヒヨコマメを使う場合、両足を同じ高さに揃え、動かさずに投げる。
  • モリロを使う場合、投げる時に足を1歩以上踏み出すことができる。そのため、ヒヨコマメを使う場合は、角との距離をもっと短く設定する場合がある。

また、一部の地域では、角を1本のみ使用しており、投げ方にもスタイルが確立されている。

脚注[編集]

  1. ^ Apuntes palentinos. Fascículo Nº1 - Tomo V. Pág 19. Usos y costumbres. Felipe A. García Durantez. Podemos decir que este juego es típicamente palentino.
  2. ^ Apuntes palentinos. Fascículo Nº1 - Tomo V. Pág 19. Usos y costumbres. Felipe A. García Durantez.
  3. ^ Apuntes palentinos. Fascículo Nº1 - Tomo V. Pág 19. Usos y costumbres. Felipe A. García Durantez: "Hace tiempo el desarrollo de este juego poseía una serie de normas que lo hacían distinto, en alguna medida, a como se practica hoy día y que personalmente creo enriquecían mucho más el juego."
  4. ^ Apuntes palentinos. Fascículo Nº1 - Tomo V. Pág 20. Usos y costumbres. Felipe A. García Durante.
  5. ^ Villa Porras, Carlos de la, Juegos y deportes tradicionales de la provincia de Burgos. Burgos: Patronato de Turismo, p. 1-2,(consulta: 19-8-2013)
  6. ^ Video en you-tube
  7. ^ Crónica de un torneo.
  8. ^ Villar y Fernández. "La práctica de algunos juegos tradicionales en Castroverde de Campos". En: Revista de folklore, nº 86 (1988), p. 47-54

参考文献[編集]

  • Villar Herrero, Sarvelio y Fernández Alcalá, Félix Pablo. "La práctica de algunos juegos tradicionales en Castroverde de Campos". En: Revista de folklore, nº 86 (1988), p. 47-54
  • García Durantes, Felipe A. Apuntes palentinos. Fascículo N.ºTemplate:Esd1 - Tomo V. ISBN Fascículo 84-7231-972-5. ISBN Obra completa: 84-7231-971-7. Usos y costumbres. Depósito Legal P199/1983. Pág 19-20. Edita Obra cultural Caja de Ahorros y Monte de Piedad de Palencia.

関連項目[編集]

  • カルバ (:es) - 類似したスペインのスポーツ