エタール射

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エタール射(エタールしゃ、étale morphism)とは、数学において有限型スキーム間の平坦かつ不分岐のこと。「étale」という形容詞は複素解析幾何学(géométrie analytique complexe)における古典的な概念「domaine étalé」から採られた[1]

不分岐[編集]

を体 k 上の有限型スキーム間の射とする。X の任意の点 xY の点 y=f(x) にたいして、

  • k(x)k(y) の分離代数拡大。

が成り立つこと。ただし、x での局所環 および k(x) はその極大イデアルおよび剰余体である。

平坦[編集]

可換環論における平坦性の概念は前提とする。上記の記号を流用し

F 加群層とする。FY 上平坦とは、任意のxに対し が平坦 加群になることをいう。F として をとって XY 上の平坦性が定義される。

同値な定義[編集]

類体論と不分岐の対応[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ Illusie, Luc (2014), “Grothendieck et la cohomologie étale” (PDF), Alexandre Grothendieck: A Mathematical Portrait, p. 2, https://www.imo.universite-paris-saclay.fr/~illusie/Grothendieck_etale.pdf 

関連項目[編集]