アース (荒巻義雄 艦隊シリーズ)

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アースとは架空戦記旭日の艦隊』、『紺碧の艦隊』に登場する架空爆撃機である。 名前はアース神族に由来すると見られる。

特徴[編集]

元々、ルフトヴァッフェ(Luftwaffe、独逸空軍)は、空軍編成の最大単位を『艦隊』と称しているが、『ドルニエ Do317 アース』はまさに『空の旗艦』として後世第二次世界大戦最大最強を誇る超々重爆撃機である。航続距離に優れたものの、ゲーリング独断で行われた帝都空襲特攻隊の失敗により、その能力を疑問視された『ヨルムンガンド』の後継機として戦線投入された「Do317 A-1」は、米B32と同じプッシュ型ターボプロップ6発超々重爆でありながら、『空中戦艦 富士』同様に航空機用ワルター発動機を用いており、18トンの爆弾積載量と、1万kmの航続距離を誇り、高空を舞う様は戦場における死の翼であり、ロシア攻略戦を始めとした投入戦線で次々と敵陣や後方兵站を灰燼に帰した。

『ユンカース J98 ラウフェイ(Ju 388より改称)』、『Ju 390 ヨルムンガンド』と製造されてきた、独逸戦略空軍機の中でも特異な位置付けであり、機体下部を中心に並みの対空・艦載機関砲では落とせない程の重装甲を持ち、航続距離の長さと巡航速度の高さを両立させ、急降下爆撃機並みの過重機動にも耐えうる機体構造は、日米双方の予想を上回る化け物であった。

その積載量を生かした爆撃能力だけでなく、『海軍艦隊殲滅用特装機』G-1-R2の攻撃能力は、前世日本軍計画機『富嶽』掃射仕様機のみならず、後世B-32デビル隊による高杉艦隊への艦隊殲滅攻撃を上回る苛烈さで、Uボートのパック攻撃と合わさり、旭日艦隊の多くの殊勲艦が海の藻屑となった。

しかし、その代償として、余りの機体重量故に10000メートル以上の滑走距離が必要なため、欧州要塞内に新規で運用基地を建造する事が出来ず、『鉄十字の鎌』の完成によって支配地域となったアフリカ大陸内に運用基地を建造する事となったが、最初期のエチオピア・アジスアベバ近郊の運用基地は旭日艦隊の反攻作戦により配備済みの機体諸共壊滅したが、その後も『秘匿戦略超々重爆』としてギニア要塞基地以外にもアフリカ大陸奥地に運用基地が複数造られた。

諸元(アースG-1-R2型)[編集]

  • 全長:42.8m
  • 全幅:57.2m
  • 全備重量:155,000kg
  • 最大速度:950km/h
  • エンジン:BMW028-B
    • 推力:1,800kg ×8※

※片翼3(逆三角形配置[1])+1の変則配置により、主翼全幅を切り詰め、速度と航続距離の両立が図られている。

  • 乗員:11名

武装[編集]

  • 20mm連装機関砲:15基(旋回式)
    • 内訳
    • 掃射用:7基
    • 自衛用:8基

爆弾搭載量:3,000kg

空気抵抗を避けるため、爆弾層を改装して搭載されている7基の砲塔は、ハッチを生かしたまま搭載されているため、閉じる事で巡航速度を爆装型と変わらないまま維持しており、旋回式の掃射用砲塔は米空軍『B-32掃射仕様』のような固定式と違い、戦場におけるあらゆる事態に柔軟に対可能であった。 また、尾部4連装砲塔は遠隔操作式となっており、後部操作室も装甲化されているため、射程の短い機銃による後方攻撃を成功させるのは(敵対者にとって)不可能に近く、そのことも投入戦線での圧倒的猛威を支える要因であった。

注記[編集]

  1. ^ 参考画像:ユンカース Ju 287 V1(模型)

劇中での活躍[編集]

メディア毎の相違[編集]

原作の挿絵では後退翼の8発機であるがコミック版ではデルタ翼となりエンジンも翼内に収納している。また掃射用機関砲はガトリング砲となった。 また、OVA版では掃射用機関砲に代わってルン型(en)の様にロケット弾を胴体後部上方から、ロケット推進式魚雷を爆弾倉から発射して日本艦隊を血祭りに挙げた。