コンテンツにスキップ

「アフガン・マスティフ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Sakashimasakasima (会話) による ID:56780486 の版を取り消し 著作権侵害のため
1行目: 1行目:
'''アフガン・マスティフ'''(英:Afghan Mastiff)とは、[[アフガニスタン]]原産の[[番犬]]・[[闘犬]]用の犬種である。英語では'''アライアン・マスティフ'''(英:Aryan Mastiff)、'''アライアン・モロサス'''(英:Aryan Molossus)とも<ref name=DM>デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、296ページ</ref><ref>Aryan([[アーリア]]の)の英語の発音は一般には{{IPA|ˈɛəɹiən}}, {{IPA|ˈɑɹiən}}などである([[:wikt:en:Aryan]]。{{要出典範囲|パキスタン近辺のこの犬の繁殖者の発音ではどちらかと言うとアラヤンまたはアラヤーンに近い発音となる|date=2015年9月}}。</ref>、Khurasani Dogとも言う<ref>{{cite|web|url=http://molosserdogs.com/m/articles/view/992-aryan-molossus---khurasani-dog |title=Aryan Molossus - Khurasani Dog|site=MolosserDogs.com|accessdate=2015-09-08}}(個人運営サイト)</ref>。現地ではサゲ・クーチ(Sage kuchi)などと呼ばれている。
'''アフガン・マスティフ'''(英:Afghan Mastiff)とは、[[アフガニスタン]]原産の番犬・[[闘犬]]用の犬種である。別名はAryan Molossus(アライアン・モロサスまたはアーリアン・モロサス)。


非常に大きな犬で、[[イングリッシュマスティフ]] よりも体重が重い。[[カンガール・ドッグ]]の原産国のトルコと[[チベタン・マスチフ]]の原産地のヒマラヤ山脈の間にある[[アフガニスタン]]が原産国であることから、これらの犬が交配されてできた可能性もある。アフガニスタンの国境を越えた[[パキスタン]] や[[インド]] 北部でも見られる。
力強く、非常に危険な犬だと言われ、それを専門に繁殖し闘犬になるために訓練する「ドッグ・メン(dog men)」に飼われている。
普段は番犬として家や[[家畜]]の見張りをしているが、[[部族]]間で大きな揉め事や争いが起こったときにはそれぞれの部族から1頭ずつアフガン・マスティフが繰り出されて闘犬を行う。この時、それぞれの犬の尻尾は明るい色で染色される。この戦いに勝った1頭の犬の部族の言い分は正しいとされて通されるようになっている。なお、戦いはほとんどの場合犬が死ぬまで戦わされ、負けてしまった犬はたとえ生き残ったとしても、戦いに勝った犬の部族の者にその場で[[ランス (槍)|ランス]]のようなもので刺し殺されてしまうという残酷な運命が待ち構えている。


== 歴史 ==
ソ連(ロシア)軍による進行やタリバン政権など、近年アフガニスタンを巡り悲惨な出来事が多くのアフガン・マスティフを死に追いやり、生き残っているのは遠隔の山岳地帯に暮らす犬だけだと思われる。
{{要出典範囲|[[中央アジア]]原産のアラバイがもととなる原始的なマスティフタイプの犬種。[[セントラル・アジア・シェパード・ドッグ]]の近縁種。別の言い方でサゲ・クーチ(Sage kuchi={{仮リンク|クーチ|en|Kuchi (dog)}}犬)とも言うが、それには幾つかのタイプがあるため敢えて言うなら山岳型クーチと言う位置づけであろう。|date=2015年8月}}。なお、[[ダリー語]]でsageは犬、kuchi(kuci)は遊牧民と言う意味である。

主に護畜犬、番犬として使役されるが、大柄で逞しい犬は闘犬としても使われている。[[デズモンド・モリス]]によれば、村と村のいざこざの決着をつけるための闘犬はデスマッチであり、どちらかが死ぬまで闘わせる。また負けた方は戦いで死ななくても勝った方の犬の村の者によって殺される事が多いという<ref name=DM/>。

[[1979年]]のソビエトの[[アフガニスタン侵攻]]以来の内乱のためその数は激減したという<ref name=DM/>。

紛争終結以後、アフガニスタンでは闘犬の人気が上がっており、比較的規模の大きな闘犬大会も開催されている<ref>{{cite web|url=http://content.time.com/time/video/player/0,32068,810066760001_2056513,00.html|title=Dog Fighters of Kabul|publisher=[[タイム誌|Time]]|date=n.d.|accessdate=2015-08-26}}</ref><ref>[[ローリー・スチュワート]]著、高月園子訳『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』白水社、2010年、ISBN 978-4-560-08062-7</ref>。通常の闘犬では決着がついた時点で戦いは終わりとなるため、犬が死に至る事はまず無い。

== 特徴 ==
{{要出典範囲|マスティフの中では原始的な姿をしていて、マズルは長めでコートはなめらかなショートコートであるが山岳部の厳しい気候に適応した上毛と下毛を持つダブルコートである。セントラル・アジア・シェパード・ドッグやトルクメン・アラバイに非常に良く似ている。顎の力は強く、がっしりとした筋肉質の体つきをしていて、脚は太く長い。本来は垂れ耳、垂れ尾だが、現地では非常に短く断耳され、尾も根元から半分以内の長さに断尾される。毛色はブラックから明るいフォーンまで各色合いがあり、他には虎毛、斑。胸等に白い斑のある個体も多い。雄は60kg〜70kg台で体重80kgを越える個体もいる反面、雌は40kg〜50kg台(勿論大柄な個体もいるが少ない)と性差が大きい。飼い主やその家族に忠実な反面、防衛本能は強く制御が必要。|date=2015年8月}}


== 脚注 ==
== 脚注 ==
{{Reflist}}
:デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2015年9月9日 (水) 03:51時点における版

アフガン・マスティフ(英:Afghan Mastiff)とは、アフガニスタン原産の番犬闘犬用の犬種である。英語ではアライアン・マスティフ(英:Aryan Mastiff)、アライアン・モロサス(英:Aryan Molossus)とも[1][2]、Khurasani Dogとも言う[3]。現地ではサゲ・クーチ(Sage kuchi)などと呼ばれている。


歴史

中央アジア原産のアラバイがもととなる原始的なマスティフタイプの犬種。セントラル・アジア・シェパード・ドッグの近縁種。別の言い方でサゲ・クーチ(Sage kuchi=クーチ英語版犬)とも言うが、それには幾つかのタイプがあるため敢えて言うなら山岳型クーチと言う位置づけであろう。[要出典]。なお、ダリー語でsageは犬、kuchi(kuci)は遊牧民と言う意味である。

主に護畜犬、番犬として使役されるが、大柄で逞しい犬は闘犬としても使われている。デズモンド・モリスによれば、村と村のいざこざの決着をつけるための闘犬はデスマッチであり、どちらかが死ぬまで闘わせる。また負けた方は戦いで死ななくても勝った方の犬の村の者によって殺される事が多いという[1]

1979年のソビエトのアフガニスタン侵攻以来の内乱のためその数は激減したという[1]

紛争終結以後、アフガニスタンでは闘犬の人気が上がっており、比較的規模の大きな闘犬大会も開催されている[4][5]。通常の闘犬では決着がついた時点で戦いは終わりとなるため、犬が死に至る事はまず無い。

特徴

マスティフの中では原始的な姿をしていて、マズルは長めでコートはなめらかなショートコートであるが山岳部の厳しい気候に適応した上毛と下毛を持つダブルコートである。セントラル・アジア・シェパード・ドッグやトルクメン・アラバイに非常に良く似ている。顎の力は強く、がっしりとした筋肉質の体つきをしていて、脚は太く長い。本来は垂れ耳、垂れ尾だが、現地では非常に短く断耳され、尾も根元から半分以内の長さに断尾される。毛色はブラックから明るいフォーンまで各色合いがあり、他には虎毛、斑。胸等に白い斑のある個体も多い。雄は60kg〜70kg台で体重80kgを越える個体もいる反面、雌は40kg〜50kg台(勿論大柄な個体もいるが少ない)と性差が大きい。飼い主やその家族に忠実な反面、防衛本能は強く制御が必要。[要出典]

脚注

  1. ^ a b c デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、296ページ
  2. ^ Aryan(アーリアの)の英語の発音は一般には[ˈɛəɹiən], [ˈɑɹiən]などである(wikt:en:Aryanパキスタン近辺のこの犬の繁殖者の発音ではどちらかと言うとアラヤンまたはアラヤーンに近い発音となる[要出典]
  3. ^ Aryan Molossus - Khurasani Dog, http://molosserdogs.com/m/articles/view/992-aryan-molossus---khurasani-dog 2015年9月8日閲覧。 (個人運営サイト)
  4. ^ Dog Fighters of Kabul”. Time (n.d.). 2015年8月26日閲覧。
  5. ^ ローリー・スチュワート著、高月園子訳『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』白水社、2010年、ISBN 978-4-560-08062-7

関連項目