麻疹ウイルス
麻疹ウイルス | |||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | |||||||||||||||
|
麻疹ウイルスは麻疹の原因となるウイルスで、パラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属するRNAウイルスである。RNAは一本鎖であり直径100~250nmのエンベロープを有する。6つの構造蛋白質があり、表面のエンベロープに有するF(fusion)蛋白とH(hemagglutinin)蛋白が病原性に大きく関わっている。また、麻疹の発症のみならず、リンパ組織に感染するため免疫抑制という症状をもたらす。脳内に潜伏して変異を起こし亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の原因にもなりうる(なお変異したウイルスをSSPEウイルスという)。
遺伝子解析により22種類の遺伝型に分類され、流行地域ごとに遺伝子型は異なる[1]。ウイルスは熱、紫外線、pH5以下の酸、pH10以上のアルカリ、エーテル、クロロホルムによって速やかに不活化される。空気中や物体表面での生存時間は、2時間以下。