頭垢

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頭垢(ふけ、雲脂)とは、皮膚から発生する、うろこ状の白い老廃物。頭皮に生じた

新陳代謝によって頭皮に存在する角質細胞が剥がれることにより発生する。

概要

ヒトの頭垢、走査型顕微鏡画像
ヒトの頭垢、走査型顕微鏡画像

フケは大きく分類すると、「脂性フケ」と「乾性フケ」に分けられる。 この二つは対処に際して頭皮の手入れ方法が異なるため注意が必要である。

脂性フケ

皮膚は常に皮脂を分泌している。様々な外的影響により、分泌が多くなった状態を脂漏(しろう)と呼ぶ。 脂漏の状態では皮脂の分泌が多くなることで角質層がはがれ落ち、それがフケとなる。 また皮脂は、真菌によって脂肪酸へと分解されるが、その過程において皮膚に炎症を起こすことがある(「脂漏性皮膚炎」)。この症状が起こる原因として「洗髪の不足」「睡眠不足」「食事バランス」「ホルモンバランス」「ストレス」などがある。

乾性フケ

脂性が頭皮の脂が多いことが原因なのに対し、こちらは脂が少なく肌が乾燥することで頭皮がダメージを受けフケが生じる。アトピーなどの症状を持つ人のフケもこちらに分類される。

予防

マラセチア菌

フケは新陳代謝により発生するため、それ自体が病気というわけではない。ただし、程度によっては他者に不快感を与えてしまう事もあり、フケ対策が必要であるかもしれない。大半のフケ・痒み防止には洗髪が有効とされ、用いられるシャンプーには殺菌成分が含まれており、フケや痒みの原因となるマラセチア菌と呼ばれる真菌を含む雑菌を押さえることで効果を狙う。

脂性フケの予防

脂性フケ予防は、頭皮を清潔に保つことである。原因が、皮脂の分泌過多であるため、まずそれを取り除く洗髪が効果的である。洗髪は毎日行うことが理想である。洗う際に用いるシャンプーは出来るだけ低刺激のものがよい。過度の洗髪が頭脂を必要以上に奪うことにより、異常な分泌を促し、フケ症を悪化させることもあるので注意(下記のシャンプーの仕方を参考に)。

乾性フケの予防

こちらは肌の乾燥が原因なため、予防及び治療としては保湿が重要となる。脂性フケと大きく異なる点として、肌を清潔にしようとすればするほど、洗髪すればするほど悪化することが多い。そのため、洗髪後は、髪の毛が乾かないうちにワセリンつばき油などの刺激が少ない保湿剤を肌へ直に塗りこむなど行う。

シャンプーの方法

  1. 頭全体をお湯で洗い、ほこりなどの汚れを流す。この際、 熱いお湯を用いるとさらに乾燥肌を悪化させる原因となるので、やや温めが望ましい(38℃前後)。
  2. 少量のシャンプーを手に取り、お湯でよく泡立ててから髪の毛や頭皮を洗う。このとき絶対に爪を立ててはいけない。爪を立てることで頭皮が傷つき、一層フケが悪化する。指の腹を用いてよくもみ洗いをする。シャンプーのつけすぎは逆効果。
  3. お湯でしっかりとすすぐ。このすすぎが不完全だと、シャンプーが皮膚に残り、フケの原因となる。
  4. トリートメントは、頭皮には直接つけず、髪の毛にもみこむように用いてしっかりとすすぐ。このときも、すすぎが不十分だとフケが悪化してしまう。よく、リンスはしない方が良いといわれるが、つけ方を間違わなければ、シャンプーを中和するなどの効果があり、したほうがよい。
  5. 髪の毛を乾かす際は、タオルドライの場合ごしごしこすらず叩くように水分を取り除く。ドライヤーを用いる場合は、髪の毛が高温になり過ぎぬように注意する。

その他

  • フケは脱毛のもとだとも言われている。
  • 動物のフケはアレルギーのもとになる場合もある。
  • シャンプーが頭皮に合わないとフケが出る原因になる場合がある。
  • かつての床屋には「雲脂取り」という、フケを取るための専門の道具が使用されていた。