電気ポット

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標準的な日本の電気ポット
電気ポットの内部

電気ポット(でんきポット)は、水を沸かす加熱・保温装置つきの容器をいう。湯をそそぐための電動ポンプを内蔵しているものが多い。

電気ポットは加熱だけでなく、保温もできる点が重宝される一因となっている。やかんでは連続的に火を与えていないと保温できず、水筒はある程度の保温効果はあるものの加熱はできない。また、電動給湯方式だと、体力のない老人・病人にも使いやすい。

構造

電気ポットはコンセントから電気を取り、電熱線を使用して加熱する。廉価なものは、発泡スチロール等の断熱材が入っているのみだが、高級品になると、内部に真空魔法瓶を搭載することにより保温能力をあげているものもある。 廉価なものは、本体の保温能力が低いため、保温に多くの電力を消費することになる。

ポットから湯を取り出す機構は、主に人間の力を利用するものと電動(モーターを利用する)の2種類に分類される。人間の力を利用したものはボタンを押す人の力でポット内圧を高め、湯を押し出す。モーターを利用したものでは、適当なボタンを押して電動ポンプを動かし湯を出す。

安全装置

電気ポットは加熱装置を含み、熱湯を扱うため各種の安全装置を組み込まれている。

磁石式接続器(マグネットプラグ)
電源ケーブルとポット本体の接続部分に磁石を内蔵することによってポットが転倒した際に抜け落ちる機能が付けられており火災防止を図っている。また、この磁石式接続は、電源ケーブルを誤って引っ掛けた場合などに外れ、ポットの転倒を防止する。
給湯停止装置
ポットの多くには給湯停止装置が付いていて、スイッチ電子回路によって給湯できない状態にできる。これにより子供のいたずらや誤ってボタンを押した場合の事故を予防している。回路を搭載しているものは自動給湯装置を内蔵している製品であり、一定時間給湯を行なわないと自動的に給湯ができなくなるものもある。これらの給湯不可能状態でも、スイッチの解除や特定のボタンを押すことより給湯が再び可能になる。また、空焚きやサーミスタ故障による過熱に対する保護装置として温度ヒューズを内蔵する。
操作ボタンの色分け
象印などは給湯ボタンを赤色、ロックボタンを青色にしている。1970年後半頃まで信号機に準じて給湯ボタンが青色、ロックボタンが赤色となっていたが、火傷の危険を促すため変更された。

追加機能

内部にはコンピュータを内蔵しており、再沸騰、カルキ抜き、一定温度での保温(温度は選択できるものが多い)等の機能がある。クエン酸による内部洗浄モードを搭載したものもある。

更には、健康状態に問題がなければ、1日に1度は電気ポットを使ってお茶を飲むことから、電気ポットに通信機能をもたせ、独居老人等の安否をリアルタイムで確認しようとする試みもなされている(象印マホービン#i-PotVoIPアプリケーション集参照)。

関連項目

外部リンク