航空機搭載爆弾

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航空機搭載爆弾(こうくうきとうさいばくだん)とは通常、航空機から想定した軌道を描いて空中から投下されるよう設計された爆弾である。航空爆弾とも表記する。これらは多種多様、複雑な設計の爆弾を含み、遠隔操作や設定に従って自動誘導する誘導爆弾(スマート爆弾)、単に投下されるだけの無誘導爆弾(ダム・ボム)などがある。これらを用いた攻撃は、爆撃や空爆と呼ばれる。

歴史

1849年にオーストリアが無人気球に爆弾を搭載してベニスを攻撃したのが最初の航空機を用いた爆撃であるが、1911年11月1日にイタリア軍のジュリオ・ガヴォット中尉がリビアのオスマン・トルコ軍へ手榴弾を投下したのが動力を持つ航空機によってなされた最初の爆撃である[1]

第2の爆撃はメキシコ革命中のマサトランで起こった。ベヌスティアーノ・カランサ将軍はマサトランを奪取することに気を取られ、複葉機に急ごしらえの爆弾を搭載し、都市のダウンタウンに隣接した丘を攻撃するよう命令したが、爆弾は都市の通りに着弾し、市民の命を奪った。

気球から爆弾を投下することは1899年ハーグ平和会議によって非合法化されたが、イタリアは航空機に及ばないと主張した(空襲も参照)。

形状

その形状は、ナス型、魚雷型、砲弾型がある。魚雷型は空気抵抗が少ないが、製造が容易でなく、大型のものは砲弾型が多い。砲弾型は頭部が尖り、中部は円柱形、尾部は細り、尾部にふつう4枚の翼が付けられる。いずれの型であってもかならず尾翼はつけられ、落下中、弾道の安定が図られる。一部は尾翼はねじられ、空気抵抗によって爆弾を長軸を軸に回転させ、ふつうの砲弾と同様に安定をよくするものもある。

目的で、破片爆弾、地雷爆弾、破甲爆弾、特殊爆弾にわけられることもある。特殊爆弾にはガス爆弾、発煙爆弾および照明爆弾がある。破片爆弾は爆発時の破片によって人馬を殺傷するもので、弾肉は厚く、爆薬量は全弾の30パーセント以下、30kg以下の小爆弾型である。地雷爆弾は爆発ガスの威力によって築造物を破壊するもので、爆薬量は60%にもなり、小型は少なく、50kg以上で、大型もある。大型が地上に落下すると、直径20m、深さ7mのろうと状の凹孔ができ、1200立方mの土を掘り返す。破甲爆弾は軍艦要塞ベトンなどを目標とするもので、頭部は堅固である。特殊爆弾のガス爆弾、焼夷爆弾は砲弾のガス弾、焼夷弾と同じである[要出典]

爆撃機への搭載

爆撃機への搭載は、垂直に吊るす方法と水平に吊るす方法がある。落下は止めを外すだけであるが、飛行速度があることから、水平方向に連れ去られることになり、つまり弾道はほぼ抛物線をなす。地雷爆弾は軍艦攻撃に有効であるとされ、甲板上に命中しないまでも付近に落下すれば水中爆発的に大破する力があるとされた。

関連項目

脚注

  1. ^ Grant pp. 59

参考文献

  • Grant, R.G. (2004). Flight - 100 Years of Aviation. Dorling-Kindersley Limited. ISBN 1-4503-0575-4.