粕漬け

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粕漬け(かすづけ)とは食材を酒粕またはみりん粕に漬ける手法である。また、その方法で作った日本漬け物の事。

概要

食材は、野菜果実魚貝類食肉貝類だけではなく加工食品など多種多様なものが使用される。日本各地で作られており、漬物の中でも良く使用される漬け方である。漬物日本一を決めるイベントにおいても、粕漬けが第一位に選ばれた。

延喜式」には野菜を材料とした糟漬けの記述があり、日本古来から存在していた事が確認出来る。

酒粕に漬けたものは味が淡泊であり、みりん粕に漬けたものは濃厚な甘味があり、さらに甘みを加える場合には砂糖を加える。酒粕は圧搾の不十分な湿ったものがよく、乾いたものは酒を含むのが少ないから味が劣るとされる。ただし、酒気の強いものが苦手な場合にはこちらが好まれる。これに塩、砂糖、酒などをくわえてゆるめ容器に固く詰め込み、蓋をして目張りをして冷所に置きよく熟れた粕に漬ける。食材はそのまま漬けると粕の中に水分が出て酸敗するおそれがあるから一度塩漬けしてから漬け、あるいは少量の塩をふりしばらく置いてからあるいは陰干しにしてから漬ける。なまのまま、特に水分の多いものを漬ける場合はぬかと少量の塩をまぜたのを容器の底に敷いて、その上に多数の小さな穴の開いた中蓋を置いて水分が下に落ちるようにする法がある。食材は相互に、また容器に接しないようにその間に十分に酒粕を詰めて固く漬け込む。数日から数か月で漬けあがる。

野菜の粕漬けは香の物とされ、粕にわさびを追加したわさび漬けも粕漬けの一つである。(奈良漬など)

魚類は、内臓類を処理し塩を使用する場合がある。また中型以上の大きい魚は一尾をそのままでは無く、切り身にしてから漬ける事が多い。(西京漬など)

食肉は、切り身に包丁を入れる処理をしたうえで漬ける事が多い。

日本各地において、主に現地で収穫される食材を使用した粕漬けが製造販売されている。