福王雪岑

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福王 雪岑(ふくおう せっしん、生年不明 - 天明5年3月18日1785年4月26日))は江戸時代能役者英派絵師。名は盛勝。通称は茂十郎[1]・茂右衛門 (もえもん)][1][2]。別号に白鳳軒[3]能楽ワキ方福王流の九世。

来歴[編集]

福王流八世・福王盛有の子として生まれる。盛有は文筆に優れ、謡曲を新作するほか『江戸洪水記』などを著した。

盛勝も父の文人趣味を引き継ぎ、能役者として活動するだけではなく、英一蝶に入門[注 1]し、絵師としても活動する。本業の関連で、狂言を題材にした作品を多数描いた。また、俳諧本の挿絵も残している。

墓所は深川の心行寺。

注釈[編集]

  1. ^ 『原色浮世絵大百科事典』第2巻は初代英一峰の門人とする。[4]

作品[編集]

  • 『江戸城謡初図』屏風 江戸時代中期[5] - 江戸城内の正月恒例の謡上演を描いた[2]
  • 『翁』 紙本着色 3幅対 早稲田大学演劇博物館所蔵[6]
  • 『俳諧百人一句』俳諧本 露月著 享保12年(1727年)
  • 『二子山』俳諧本 露月他編 享保15年(1730年)
  • 『名物鹿子』俳諧本 伍重軒露月編 享保18年(1733年)

参考資料[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 小林責西哲生羽田昶『能楽大事典』筑摩書房、2012年1月20日。ISBN 9784480873576 
  2. ^ a b 東京都歴史文化財団 2018.
  3. ^ 福王雪岑”. コトバンク - 美術人名辞典 - (株)思文閣. 2020年7月20日閲覧。
  4. ^ 日本浮世絵協会編『原色浮世絵大百科事典』大修館書店、1982年。 
  5. ^ 江戸東京博物館 2018.
  6. ^ 早稲田大学演劇博物館.

関連文献[編集]

  • 谷口正太郎『近古浮世絵師小伝便覧』谷口正太郎、1889年

関連項目[編集]