真如三昧耶流

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真如三昧耶流(しんにょさんまやりゅう)とは、真言宗系の在家仏教教団・真如苑[1][2][3][4][5]の開祖伊藤真乗が興した密教法流である。涅槃経を所依の経典としている[6]。1997年、真言宗醍醐派総本山醍醐寺は、真乗が新たな密教法流「真如三昧耶流」を興した事績を顕揚し、醍醐寺の下伽藍にある法華三昧堂の跡地に真如三昧耶堂を建立した[7][8]

縁起・沿革[編集]

真言小野流の一流派であり、1997年(平成9年)に真言宗醍醐派総本山醍醐寺により顕揚された流派である。また、真如苑燈檠山真澄寺の大乗典大般涅槃経を根本経典とする一宗派である[注 1]

開祖伊藤真乗が83歳で遷化にともなって、朱雀天皇の祈願により949年(天暦3年)に醍醐寺開創間もなく建立され、1470年(文明2年)に焼失した「法華三昧堂」の跡地に、1997年9月11日をもって功績を顕揚する御堂、「真如三昧耶堂」が醍醐寺内に建設された[9]。これによって真如苑の法流、すなわち、真如密(真言宗醍醐派の岡田宥秀門跡が命名)が、「真如三昧耶流」という一流派として確立されることとなった。真如三昧耶流は真言宗醍醐派の法流血脈である。

この伝燈法脈に真如の法流の重要さを顕彰し続けるため、真如三昧耶流は「真如密」と呼び、伝燈を伝承する意味において、真如三昧耶堂を建立している[9]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 真如苑は、般若経妙法蓮華経、(大乗典)大般涅槃経をもって、真如三部経とし、とりわけ(大乗典)大般涅槃経を最も根本の経典としている。この(大乗典)大般涅槃経を、真如密(真如三昧耶流)とし一流派としている。

出典[編集]

  1. ^ 小学館『日本大百科全書 12』(1986.11)P566,P567 新宗教
  2. ^ 小野泰博『日本宗教事典』弘文堂(1987/2)P645
  3. ^ 井上順孝/他『新宗教事典(本文篇)』弘文堂(1994/07) P38,P60
  4. ^ 文化庁『宗教年鑑 平成27年版』 P15,P16
  5. ^ 宗教教団新研究会『最新「宗教」教団ガイドブック』 ベストブック (2011/08)P58~P61
  6. ^ 伊藤真乗展 - 誕生100年記念 「伊藤真乗の目と手」展
  7. ^ 真乗刊行会『真乗 心に仏を刻む』 (2007)中央公論新社 P299~302
  8. ^ 世界遺産 京都 醍醐寺:下醍醐 伽藍のご案内「真如三昧耶堂
  9. ^ a b 総本山醍醐寺. “真如三昧耶堂”. 世界遺産 京都 醍醐寺. 2018年8月16日閲覧。

外部リンク[編集]