減三和音

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減三和音(げんさんわおん、英語: diminished triad)とは、音楽の和音の一種である。ポピュラー音楽ではマイナー・フラット・フィフス (英語: minor flatted fifth) とも呼ばれる。

概要

各言語での呼称

  • 英語: diminished triadディミニッシュト・トライアド
  • 英語: minor flatted fifthマイナー・フラッテド・フィフス
  • ドイツ語: Verminderter Dreikang (フェアミンデアター・ドライクラング)

構成音

以上の3音から構成される三和音である。根音から短三度を2回重ねたコード、もしくは短三和音の5番目の音を半音下げて、減五度となったため、不協和音となる。

和音記号

根音をCとすると、コードネーム表示は、

Cdim、Co、Co、Cm-5、Cm(♭5)、C--5、C-(♭5)、C dim (triad)、Cdim

主な用法

多くの場合、減七の和音属七の和音に取って代わられる。

ダイアトニック・コードとして

短調の II 度の和音(機能はサブドミナント・マイナー、あるいは単にサブドミナント)(ツーファイブ扱い)として
イ短調:
Am→Bm(♭5)→E7→Am
Im→IIm(♭5)→V7→Im
T→Sm→D→T
長調、和声的短音階、旋律的短音階の VII 度の和音(機能はドミナント)として
ハ長調:
C→Bm(♭5)→C
I→VIIm(♭5)→I
T→D→T
これは属七の和音 V7 の根音省略形として捉えることもできる。

ノン・ダイアトニック・コードとして

経過和音 passing chord として(機能はない)

ハ長調において、元の和音進行が C→Dm→Em→Dm→C である場合、和音進行を滑らかにするために、経過的に次のように用いられることがある:

C→C#m(♭5)→Dm→D#m(♭5)→Em→Em(♭5)→Dm→Dm(♭5)→C

経過和音として減三和音を用いる場合、後続和音は長三和音か短三和音でなければならない。後続和音が七の和音である場合、その三和音部分はやはり長三和音か短三和音でなければならない。

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