洲崎パラダイス赤信号

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洲崎パラダイス赤信号
『洲崎パラダイス赤信号』
監督 川島雄三
脚本 井手俊郎、寺田信義
原作 芝木好子
製作 坂上静翁
出演者 新珠三千代轟夕起子三橋達也
音楽 真鍋理一郎
撮影 高村倉太郎
編集 中村正
配給 日活
公開 1956年
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洲崎パラダイス赤信号』(すさきパラダイスあかしんごう)は、1956年の日本映画である。芝木好子原作の『洲崎パラダイス』を映画化したもので、戦後の赤線地帯「洲崎」の末期を描いた作品。川島雄三自身はこの作品をかなり気に入っているようで、キネマ旬報の監督が自作を語る記事で高い評価をつけている。若き日の小沢昭一がそば屋の出前持ちを、芦川いづみがそば屋で働く娘役を演じた。ロケによる当時の様子とともに、飲み屋やそば屋の値段表の金額も値打ちである。主人公蔦江は,以前遊郭で働いていたらしい。ふがいない男と一緒にいて,親戚からお金を頼まれ,その工面のため一度は妾になる。遊郭の入口にある橋のこちら側にある飲み屋を境に,向こう側(プロ)に落ちるかこちら側(かたぎの世界)に踏みとどまるか,そこが観客の関心でもある。

キャスト

あらすじ

売春防止法施行直後の東京。梅雨明け前。かちどき橋の上で「これからどこへ行こうか」と男女(新珠三千代と三橋達也)は思案するも思い浮かばずバスに乗る。洲崎パラダイスの入口で下り、求人の張り紙のある飲み屋「千春」に入る。おかみ(轟)は、小学生男児2人を抱え、4年不明の夫の帰宅を待ちわびている。女は入ってきた客をうまく扱い、住み込みで働くようになる。男は、おかみの紹介で近くのそば屋で住み込みの出前持ちをする。やがて女は、客の1人(河津。ラジオ店で成功し、金払いがよい)と仲良くなり、出て行く。おかみの夫が帰ってくる。男は女を忘れられず、秋葉原(まだ「神田」と言っていた頃)界隈を探し回る。女も男に会いに戻ってくる。「以前は客のバイクの音が聞こえるとわくわくしたが、今は出前持ちを見る度にあの男かと思う」とおかみにいい、出て行く。雨が降り出し、近くの神社で殺人があったらしい。もしやとおかみが見に行くと、殺されたのは男女のどちらでもなく、夫だった。犯人は夫の愛人だった。男女はそこで再会、またどこかに出かけてゆく。