江坂公園
江坂公園(えさかこうえん)は、大阪府吹田市江坂にある都市公園(近隣公園)。
概要
1961年から吹田市が進めた区画整理事業の一環として開発された。当時この地域は新御堂筋線と地下鉄御堂筋線の乗り入れにより市街化が見込まれていたことから、最初の事業対象となった。構想では地区の中央に近隣公園を、周辺には児童公園を9箇所設ける計画となっていた。1969年に完成した近隣公園が江坂公園である[1]。
その後1996年に改修。改修設計の担当は日建設計[2][3]。
江坂は大阪都心から地下鉄で15分、かつて水田が広がっていた計画地周辺は、商業・業務施設やマンションなどの高層ビルが建ち並び、たちまち活気に満ちた街へと変貌を遂げた。大阪市営地下鉄江坂駅東側にアトリウム内の大規模屋内緑化で知られる大同生命江坂ビルが隣接する。江坂駅は橋上駅であるため、動線の連続性を重視し、ペデストリアンブリッジを介した動線が確保された。ここを進むと、知らず知らずのうちに緑で埋め尽くされたアトリウムのなかに導かれる。このなかには、オフィスのロビー空間やカフェが位置し、建築内における緑に包まれた辻空間が形づくられている。アトリウム内の大規模な緑空間の評価もさることながら、「街づくり」という視点でこのビル建築は高い評価をすることができる。
隣接する江坂公園までの2階レベルでの連続性を確保し、重層的にアクティビティを展開させた点である。東側隣接地の江坂公園は図書館や緑化推進施設とともに人々に親しまれてきた憩いの空間である。しかし、江坂公園は近年の駅周辺の違法駐車や放置自転車を解決する使命(駐車場と駐輪場の設置)を負うこととなった。
そして1997年(平成9)、 江坂公園は「緑の丘」の公園として蘇った。図書館・緑化推進施設・駐車場・駐輪場の施設はすべて床面を地上レベルより1.2m下に設置した半地下に設け、上部を「緑の丘」として市民に開放した。丘の上の通路は前述の大同生命ビルの2階レベルと直結し、駅からの動線を受けとめている。施設上部に公園としてのスペースを生み出し、大同生命ビルのコンセプトを継承したかたちとなっている。街に新たなスペース(あいまいな空間)を建築と一体的に生み出し、これを連担させていくことが、高密化する都市のタイトさを解決する方向性の一つとみられている。
諸元
- 江坂駅からは北口から大同生命ビルを抜けて直結でアクセスが可能。
施設
- カスケード(階段型水景施設)
- ちびっこ広場
- わんぱく広場・わんぱく砦(大型木製複合遊具、ミニアスレチック場)
- ちびっこ砦(ローラー滑り台、水遊び、砂遊び など)
- つどいの広場
- ロッククライミング施設
- 散策路
- 日時計の休憩所 カリヨンベルの時計
- モニュメント「星のシグナル」
- よそおいの花のテラス(屋上緑化)
- インナーガーデン(駐車場、江坂花とみどりの情報センター[4]、吹田市立江坂図書館の屋上。ハーブの展示(コンテナガーデンやハンギングバスケット)や休憩コーナー等。第17回大阪まちなみ賞受賞[5])
脚注
- ^ 『吹田市史』第3巻、吹田市史編さん委員会編集、吹田市役所、1989年、513ページ。
- ^ 『新建築』1996年12月号
- ^ 建築思潮研究所『公園内施設』建築資料研究社、1999年12月20日 。
- ^ http://www.suitahanamido.com
- ^ http://www.osaka-machinami.jp/collection/collection017.html