桜梅桃李
桜梅桃李(おうばいとうり)とは、桜、梅、桃、李(すもも)のこと。転じて、それぞれが独自の花を咲かせること。
起源・由来
- 『古今著聞集』[1]の「草木」の項には「春は櫻梅桃李の花あり、秋は紅蘭紫菊の花あり、皆これ錦繍の色、酷烈の匂なり」とある[2] 。
- 鎌倉時代の宗教家である日蓮[3]は「桜梅桃李の己己の当体を改めずして無作三身と開見す」と述べた[4] 。いずれも独自の美しい花を咲かせることから、桜は桜の、梅は梅の、桃は桃の、李は李の特徴を改めることなく、生かしていくとの意味であるという。「桜梅桃李」の語が使われ始めた13世紀前半には「楊梅桃李(ようばいとうり)」という言葉も使われている。『平家物語』[5]等に出て来る。日本国語大辞典には「楊(やなぎ)と梅と桃と李。転じて、さまざまな花の木の形容」とある。
脚注
- ^ 1254年10月頃成立
- ^ 『古今著聞集』の引用箇所の原文は漢文
- ^ 1222年 - 1282年
- ^ 日蓮の弟子・日興が、日蓮の言葉をまとめたとされる「御義口伝」から(『日蓮大聖人御書全集』日蓮正宗大石寺版・昭和62年4月2日第171刷、784頁)
- ^ 巻三「少将都帰」。その他の文献は日本国語大辞典を参照
関連項目
- 松坂桃李 - この言葉と「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」が名前の由来とされている。