木村小舟
木村 小舟(きむら しょうしゅう、1881年9月12日 - 1954年4月20日)は、20世紀前半の少年雑誌編集者・童話作家である。
略歴
岐阜県加茂郡加治田村(現在の富加町)出身。本名は木村定次郎。
1896年(16歳)に、幼年時代からの希望であった小学校教員の第一歩を踏み出し、加治田小学校の雇教員として勤める。そのかたわら、博文館の少年雑誌『少年世界』への投稿をする。1898年には「胡蝶船旅行」1編が、1899年には「雪姫物語(科学的お伽噺)」「蟻の旅(お伽噺)」など10編が掲載された。1900年9月、19歳で博文館に編集者として入社する。1901年9月から1914年12月(34歳)に退社するまで、『少年世界』の編集を担当し、最後の2年間は編集長を務めた。編集者として様々な分野について執筆している。退社後も、『少年世界』に理科談と童話の執筆を続けた。
博文館退社後は、書肆東亜堂の主人に招かれて、同社に入社する。しかし、この会社は経営不振で、数年にして主人は経営を投げ出し、木村小舟みずからが経営の責任を負うことになる。整理のやむなきに至り、別に明治出版社を興す。しかし、1922年には両社とも解散し、1927年までかかって両社の負債を返済し続けることになる。1923年以降は、少年用書籍の執筆者・編集者となる。
著書
一部の著書のみ羅列する。
幼少年書類
- 教育お伽噺(1908年、博文館)
- 少年百科宝鑑(1911年、勉強堂)
- 立志の旅路(1912年、博文館)
- 泰西美談(1924年、広陵社)
- 模範童話選集(1925年、博文館)
- 日本歴史手帳(発行年不明、文運堂)
- 動物手帳(発行年不明、文運堂)
- 世界地理手帳(発行年不明、文運堂)
理科書類
美術及雑書
- 海上生活(1917年、共同出版社)
- 日本仏像物語(1920年、東亜堂)
- 趣味の仏像(1926年、広陵社)
文献
- 飯干陽『木村小舟と「少年世界」』あずさ書店、1992年。
- 富加町史
脚注