斎藤月岑日記

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斎藤月岑日記』(さいとうげっしんにっき)は、江戸時代後期から末期の町名主で、『江戸名所図会』(ちくま学芸文庫ほか)などを編纂・刊行した斎藤月岑が記した日記文政13年(1830年)から明治8年(1875年)の45年間にわたって書き継がれた。東京大学史料編纂所蔵。

日記の内容は、天候、公務、本人や家族の行動、来客、自然災害などであり、月岑の感想を交えることは少なく、備忘録的性格が強い[1]

江戸の様々な風俗などを記す貴重な史料で、江戸市中の事を詳細に記した藤岡屋由蔵の『藤岡屋日記』と双璧をなす記録と言われている。

岩波書店で『大日本古記録 斎藤月岑日記』として1997年3月から出版開始、2016年3月に最終第10巻が刊行された。また、書誌学者の森銑三が最晩年に『斎藤月岑日記鈔』(汲古書院、1983年)を刊行している。

脚注[編集]

  1. ^ 鶴田啓 (2016-11). “「斎藤月岑日記」翻刻出版余滴”. 情報学研究 学環 東京大学大学院情報学環紀要 (東京大学大学院情報学環) 91: 1-3. doi:10.15083/00031992.