彭頭山文化
彭頭山文化（ほうとうざんぶんか、ペントウシャン文化、彭头山文化、拼音: , Pengtoushan culture, 紀元前7500年頃-紀元前6100年頃）は、中国の長江中流、湖南省北西部における新石器時代の文化である。北の黄河流域に栄えた裴李崗文化（はいりこうぶんか）とほぼ同時期の文化であり中国の新石器時代の始まりに当たり、稲の栽培がおこなわれていたことが知られている。標式遺跡は湖南省常徳市澧県の澧陽平原から発見された彭頭山遺跡、同じく澧県で見つかった八十垱遺跡（はちじゅっとういせき、Bashidang）である。
彭頭山遺跡は1988年に発掘され、現在のところ中国の遺跡の中でも最も初期の恒常的な集落の跡となっている。ただし年代を確定することが困難であり、紀元前9000年頃のものという説から紀元前5500年頃とする説までがある[1]。副葬品として、縄目の模様をつけられた土器（索文土器）が多く出土している。
彭頭山遺跡では紀元前7000年頃のコメのもみ殻などが発見された。このコメの大きさは野生種のコメよりも大きく、中国最古の栽培種の稲があった証拠となっている。ただし田を耕すための道具などが彭頭山遺跡からは発見されていないが、彭頭山文化の後期の遺跡からは発見されている。
八十垱遺跡からは集落を堀で囲んだ跡が見つかり、最古級の環濠集落とも考えられる。また集落中央には祭祀を目的とした可能性のある大きな建物が発見された。
関連項目
脚注
- ^ Higham, Charles, The Bronze Age of Southeast Asia, pp. 63, ISBN 0-521-56505-7