岩佐美代子
岩佐 美代子(いわさ みよこ、1926年3月1日 - )は、日本の国文学者。法学者・穂積重遠の娘で、渋沢栄一の血を引いている。母方の祖父は児玉源太郎。
略歴
1930年(昭和5年)頃から昭和天皇の第一皇女・照宮成子内親王に「宮仕え」し、前田美意子らとともに特に親しい学友のひとりだった。なお、学友として出仕するにあたり宮内省から辞令がくだされていた[1]。1945年(昭和20年)女子学習院高等科卒業。
その後厚生省勤務の医師岩佐潔と結婚、二児を儲けるが、1962年国文学研究を志す。72年夫が50歳で死去し、国立国会図書館非常勤職員、立教大学非常勤講師をへて、1982年鶴見大学助教授、1985年教授。1993年から1995年文学部長。1997年定年退職。2001年『光巌院御集全釈』で読売文学賞受賞。
世間が南朝のロマンに陶酔することは、北朝系である現在の天皇を否定することになりかねないとし、積極的に北朝の天皇、北朝系の歌人たちを研究対象としている。清泉女子大学で起きたセクハラ二次被害事件で支援者となった。
著書
- 『京極派歌人の研究』笠間書院 1974年
- 『永福門院』笠間書院 1976年
- 『あめつちの心』笠間書院 1979年
- 『京極派和歌の研究』笠間書院 1987年
- 『木々の心花の心』笠間書院 1994年
- 『宮廷に生きる』笠間書院・古典ライブラリー 1997年
- 『宮廷の春秋』岩波書店 1998年
- 『宮廷女流文学読解考 中世編』笠間書院 1999年
- 『宮廷文学のひそかな楽しみ』文春新書 2001年
- 『源氏物語六講』岩波書店 2002年
- 『内親王ものがたり』岩波書店 2003年
- 『千年の名文すらすら源氏物語 学び直しの古典』小学館 2005年
- 『岩佐美代子の眼 古典はこんなにおもしろい』笠間書院、2010年
- 『讃岐典侍日記全注釈』笠間書院、2012年
注釈
- 『風雅和歌集』次田香澄と共編 三弥井書店 1974年
- 『校注文机談』笠間書院 1989年
- 『玉葉和歌集全注釈』笠間書院 1996年
- 『光厳院御集全釈』風間書房 2000年
- 『風雅和歌集全注釈』笠間書院 2002年-2004年
- 『永福門院百番自歌合全釈』風間書房 2003年
- 『校訂中務内侍日記全注釈』笠間書院 2006年
- 『文机談全注釈』笠間書院 2007年10月
- 『秋思歌・秋夢集新注』青簡舎〈新注和歌文学叢書3〉 2008年6月
- 『藤原為家勅撰集詠 詠歌一躰新注』青簡舎〈新注和歌文学叢書5〉2010年2月
脚注
- ^ 『宮廷に生きる』笠間書院・古典ライブラリー、P1-26