加法定理

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数学物理学等において、加法定理(かほうていり、addition theorem)、加法法則(かほうほうそく、additive law)あるいは加法公式(かほうこうしき、addtive formula)とは、ある関数や対応・写像について、二つ以上の変数の和として記される変数における値を、それぞれの変数における値によって書き表したもの。

概要

変数が二つの場合には函数 f の加法定理は形式的に2変数の函数 G を用いて f(x + y) = G(f(x), f(y)) の形に書き表される。このときの G がどのような函数としてとれるかという基準で加法定理を分類することも考えられる。

たとえば定数 a 倍する写像 ma: xax を考えるとき、a(x + y) = ax + ay となるという性質は分配法則と呼ばれるが、これはベクトル空間や環(あるいは環上の加群)などで成立する加法定理の一種である。もう少し一般に函数 ff(x + y) = f(x) + f(y) の形の加法定理を満足するとき、函数 f は加法的であるまたは加法性を持つという。これは函数 f加法群の間の準同型となることを意味している。また、指数法則の一つである指数函数の加法定理 exp(x + y) = exp(x)exp(y) などは加法が乗法に写るような加法定理である。

多様な加法定理が世の中には存在するが、代表的なものを以下に掲げる。

三角関数の加法定理
日本の教育数学で加法定理と言えばこれのこと。
楕円関数の加法定理
θ 関数やワイエルシュトラスの関数などの加法定理。
楕円曲線の加法公式
ヤコビ多様体の加法公式
確率の加法定理
和事象の確率を求める公式 P(AB) = P(A) + P(B) − P(AB)。形式的には集合の包除原理と同じものである。
速度の加法定理