ランダム化比較試験

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ランダム化比較試験(ランダムかひかくしけん、RCT:Randomized Controlled Trial)とは、主に医療分野で行われている治験臨床試験の手法である。通称RCTと呼ばれるため、以下本稿ではRCTと呼ぶ。

概要

新薬や新しい治療法について、その効果を検証する場合、いくつかの問題が発生する。新薬は既存の薬品よりも効果があるのか、またはその効果はプラシーボ効果ではないのか、病気が特定の症状・進行度(ステージ)にある群が意図的に抽出されているのではないか、などである。このため、ランダムに被験者群を処置群(新薬を投与した群:治験群)と、比較対照群(既存の治療薬群、およびプラシーボ群)に分け、効果を測定する。現在もっとも一般的に用いられている薬剤・治療の効果証明方法。

RCTによる効果検証・効果測定が一般に行われる以前では、いくつかの不合理な治療・投薬が存在していた。広く知られているのは、心筋梗塞の治療後に、予防的にリドカイン(不整脈を防ぐ効果がある)の投薬が行われていた事例である。しかし、心筋梗塞後のリドカイン投薬群、非投薬群の追跡調査の結果、両者に差異が認められなかったため、現在では症例によって使い分けられるか、ほとんどの場合投与しなくなっている[1]

関連項目

参考資料

  1. ^ http://www.synapse.ne.jp/mura1/acs/lidocaine.html