モナド (圏論)
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圏論において、モナド(英:monad)もしくはトリプル(英:triple)とは、関連する2つの自然変換を伴う(自己)関手である。モナドは随伴関手の対に関する理論において重要な存在である。これらは自己関手の圏におけるモノイド対象とみなすことができ(よってその名がある)、またこれらは、半順序集合上の閉包演算子を任意の圏へ一般化する。
導入
F と G を随伴関手の対とし、F を G の左随伴とするならば、合成 G ∘ F はモナドとなる。従って、モナドはある圏からその圏自身への関手となることに注意されたい。また、もし F と G が互いに逆関手となるならば、対応するモナドは恒等関手となる。一般に随伴は圏同値の事ではなく、違う性質を持つ圏同士を関係付けるものである。モナド論は、その随伴が「保持する」ものは何か、を捉えようとする試みの一部である。この理論の別側面として、F ∘ G を考察することから得られるもののように、コモナドの双対性の元で議論される。
定義
C を圏としたとき、C 上のモナドは関手 T : C → C と、次の2つの自然変換から構成される。すなわち、η : 1C → T (ここで 1C は C 上の恒等関手) 、および μ : T2 → T (ここで T2 は C から C への関手 T ∘ T )である。
- μ ∘ Tη = μ ∘ ηT = 1T (結果としてこれは 自然変換 T → T となる。ここで 1T は T から Tへの恒等変換を表す).
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/94/Monad_unit.png)
最初の公理はモノイドにおける結合則と、2つめの公理は単位元の存在と、それぞれ同種のものである。事実、C 上のモナドは、対象として C上の自己関手、射としてそれらの自然変換を取る圏 EndC 内のモノイドとして定義することもできる。ここでのモノイド構造 は、自己関手の合成から導かれる。
参考文献
- Daniele Turi: Category Theory Lecture Notes (1996-2001), based on MacLane's book "Categories for the Working Mathematician"
- Michael Barr and Charles Wells: Category Theory Lecture Notes (1999), based on their book "Category Theory for Computing Science"