マロン酸

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マロン酸
一般情報
IUPAC名 プロパン二酸 (propanedioic acid)
分子式 C3H4O4
分子量 104.1
形状 無色の固体
CAS登録番号 141-82-2
性質
密度 1.6 g/cm3, 固体
水への溶解度 139.0 g/100 mL (22 ℃) [1]
融点 135 °C
出典 ICSC

マロン酸(マロンさん、Malonic acid)は、構造式 HOOC–CH2–COOH で表されるジカルボン酸の一種。常温常圧で無色の固体。融点より少し高温に熱すると熱分解して酢酸二酸化炭素になる。の場合、マロナートもしくはマロネートと呼ぶ(malonates)。マロンの名称はギリシア語リンゴに由来する。

性質

マロン酸は酢酸マロン酸経路を構成する物質の1つ。などの極性溶媒によく溶ける。

マロン酸のジエステル活性メチレン化合物で、塩基によってメチレンプロトンを引き抜き、簡単にカルバニオンを発生させることができるため、炭素炭素結合の形成に使用される。

生化学

マロン酸は構造がコハク酸 HOOC–(CH2)2–COOHによく似ているため、生物体内のクエン酸回路においてコハク酸デヒドロゲナーゼの活性部位に(誤って)結合してしまう。そのため本来の基質であるコハク酸の代謝を阻害し(競合阻害)、細胞呼吸を妨害する。

脚注

  1. ^ Record 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース

関連項目