ポリアフ
ポリアフ(ハワイ語: Poliʻahu)とは、ハワイ神話に登場する女神である。雪の四女神(ポリアフ、リリノエ、ワイアウ、カホウポカネ)の一柱であり、四柱ともに火山の女神ペレと敵対している。ポリアフはハワイ島のマウナ・ケア山に住むとされている。この山は、冬になると山頂が雪で覆われることから「白い山(マウナ・ケア)」と呼ばれている山である。
伝説
ポリアフに関する伝説は主に次の2つが残っている。
アイウォヒクプア
マウナ・ケア西の山腹にて、ポリアフはアリイ(王族・酋長)のアイウォヒクプア (Aiwohikupua) に出会う。2人は恋に落ち、彼は彼女を彼の故国カウアイ島へと連れて帰る。されどそこで彼女は、彼がすでに別の女性――マウイ島の王女ヒナイカマラマ (Hinaikamalama) と婚約していたことを知ってしまう。ポリアフは失望して彼の元を去るが、王女に第一の呪いをかけてしまう。ポリアフはまず王女を骨まで凍えさせ、次に寒さから転じるように暑さを与えた。ついに王女は音を上げ、アイウォヒクプアの元から去っていった。続いてポリアフはアイウォヒクプアにも同じような呪いをかけ、凍え死なせたという。
四女神は異界の美を有することが特徴であるという。ポリアフはハワイでもっとも美しい女神であるとされる。
ペレとの対決
また、ポリアフはハワイ島北部のハーマークア海岸を設計したとされる。
ポリアフはマウナ・ケアの東の山腹で人間たちとともに暮らしていた。ある日、人間たちとホールア(ハワイのソリ)で滑っていたとき、謎の美人が現れ、そりすべりに参加し、ポリアフに勝負を挑んできた。その余所者はホールアを持っておらず、ポリアフが不利になるような1台を借りた。
最初の競争で、ポリアフは挑戦者をあっさりと抜き去った。ポリアフは寛大にも、挑戦者と互いのホールアを交換することに応じた上で、再度競争し、またもや勝利を収めた。3度目の競争において、挑戦者はポリアフを妨害しようと、その眼前に溶岩流を展開し、その正体が火山の女神ペレであったことを露呈した。
ポリアフはペレの攻撃に動揺しつつも、山頂へと駆け上がった。一度落ち着きを取り戻してから、溶岩に雪をぶつけ凍らせ、溶岩を島の南端に閉じ込めた。今日では、ペレはハワイ島の南半分であるキーラウエア山とマウナ・ロア山を支配しているが、島の北端ではポリアフに従わざるをえないという。