プランク (人工衛星)

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プランク
ファイル:Planck satellite.jpg
所属 欧州宇宙機関 (ESA)
公式ページ Planck - Home Page
国際標識番号 2009-026B
カタログ番号 34938
状態 運用中
目的 宇宙望遠鏡
観測対象 宇宙マイクロ波背景放射
打上げ機 アリアン5
打上げ日時 2009年5月14日13:12GMT
物理的特長
質量 1800kg
軌道要素
周回対象 太陽-地球
軌道 L2点
観測機器
LFI 低周波装置
HFI 高周波数装置
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プランク (Planck) は、宇宙背景放射を観測するための高感度・高分解能の観測装置を備えた人工衛星である。ESA2000年に3番目の中規模計画として計画された。当初はCOBRAS/SAMBAと呼ばれていたが、後にノーベル物理学賞を受賞したドイツのマックス・プランクにちなんで改名された。

計画はNASAWMAP探査機が広視野・低感度であるのに対し、プランクは対照的である。相補的な成果や宇宙創世記の解明が期待される。

2009年5月14日にアリアン5ハーシェル宇宙望遠鏡と共に打ちあげられた。

2012年1月14日、2つの観測装置のうち高周波数装置 (HFI) が冷却剤の枯渇のため寿命を迎えた。以降は低周波数装置 (LFI) のみで観測を続ける予定である[1]

観測装置

低周波数装置 (LFI) と高周波数装置 (HFI) [2]から成る2台の装置が搭載されており、両方とも30GHzから857GHzの偏波と光子を検出する。

低周波数装置

周波数
(GHz)
帯域
()
分解能
(角度分)
感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)
感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
30GHz 0.2 33 2.0 2.8
44GHz 0.2 24 2.7 3.9
70GHz 0.2 14 4.7 6.7

LFIは3つの帯域があり、30GHzから70GHzをカバーする。検出器はHEMTである[2]

高周波数装置

周波数
(GHz)
帯域
()
分解能
(arcmin)
感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)
感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
100GHz 0.33 10 2.5 4.0
143GHz 0.33 7.1 2.2 4.2
217GHz 0.33 5.0 4.8 9.8
353GHz 0.33 5.0 14.7 29.8
545GHz 0.33 5.0 147 N/A
857GHz 0.33 5.0 6700 N/A

HFIは100GHzから857GHzの間で6つの周波数帯を持つ。ボロメータで光子を検出する。4台の低周波帯では感度は線形であるが、2つの高周波帯では違う[2]

脚注

  1. ^ “Planck Telescope Warms up as Planned”. NASA JPL. (2012年1月17日). http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2012-016&rn=news.xml&rst=3257 2012年1月28日閲覧。 
  2. ^ a b c Blue Book, Chapter 1

外部リンク