ディンカ族
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ディンカ族(Dinka)は、南スーダンのナイル川流域に居住する民族。自らはジエン(複数形: Jieng, 単数形: Muonyjang)と称する。乾期には河川近郊にて放牧を行い、雨期にはサバンナにてキビやヒエなどを栽培する半農半牧生活を営む。言語的にはナイル・サハラ語族に属しているためヌエル族、ルオ族などのNilotic peoplesの諸語と近しい関係にある。政治的にはヌエル族と敵対関係にある。人口は約100万人。居住地域が広大な範囲にまたがるため方言格差が大きい。
社会的には1000人から3万人程度の部族集落を形成している。ディンカ族はさらに細分化された10の亜部族(Atuot, Aliab, Bor, Chiej, Agar, Gok, Rek, Twij, Malual, Ngok)に分かれている。亜部族ごとに社会的風習や文化的慣習が異なっており、氏族制度ひとつとっても父系クラン、司祭クラン、戦士クランなど様々である。
1983年から始まった第二次スーダン内戦中の1991年11月15日、スーダン南部のBorでBor Massacreが起こった。スーダン南部は、ディンカ族でキリスト教徒のジョン・ガランが指導するスーダン人民解放軍の勢力圏であるが、その地域に対して軍事政権のアラブ系イスラム主義者オマル・アル=バシールがイスラム法シャリーアを導入を計り、アラブ系による黒人への人種差別と宗教対立が激化したことが原因である。