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スムース・コリー

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スムース・コリー(英:Smooth Collie)とは、イギリススコットランド原産の牧羊犬種である。日本でも人気の高いラフ・コリーのスムースコートバージョンの犬種で、旧称はスコッチ・コリー(英:Scotch Collie)。

歴史

ラフ・コリーと同じく、2000年前にローマ人が原産地にもたらした特別なワーキング・コリーが先祖である。後にラフ・コリーと分化して別の犬種になった。1860年代になるとこの地方の作業犬はイギリス王室に数頭送られ、その中で最も美しい容姿をしていたシャープ号というスムース・コリーはビクトリア女王にとても気に入られ、本種は貴族階級の人々に間で人気を博すようになった。その頃のスムース・コリーは頭が大きく短足で不恰好なものが多かったため、イングリッシュ・グレイハウンドの血を加える事により現在の脚が長い、すらりとした容姿に改良された。もともとは牧羊犬としてのみ使われていたが、前述の通りイングリッシュ・グレイハウンドの血が加えられた事により走るスピードが速くなり、更に狩猟にも目覚めたため、貴族によってウサギ狩り用にも使われるようになった。

20世紀になると人気が落ち、2度の世界大戦によって絶滅寸前に陥ってしまう。戦後は愛好家の手により数を回復し、絶滅の危機は脱したもののラフ・コリーの人気の陰に隠れてしまい、現在でも世界的に頭数が少ない犬種である。日本においても登録数が少なく、国内登録が未登録の年も多い。2009年度には久々の登録があったが、国内登録頭数順位は136位中136位と最下位であった。

特徴

大まかに言うと、ラフ・コリーのコートを短くして脚を長くしたような姿をしている。マズル・首・脚・尾が長く、引き締まった体つきで、半垂れ耳・サーベル形の垂れ尾を持つ。コートはさらりとしたショートコートで、毛色はセーブル、マーブル、ホワイト+ブラック+タンなど。体高56~66cm、体重23~24kgの大型犬で、性格は警戒心が強く内向的だが、主人家族に対しては陽気で優しく、友好的である。なお、ストレス性の下痢になりやすいため、留守が多い家庭での飼育は難しい。

参考

  • 『犬のカタログ2004』(学研)中島眞理 監督・写真
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2007』(辰巳出版)佐草一優監修
  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著

関連項目