綦毋潜

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綦毋 潜(きぶ せん、692年 - 755年?)は、中国の詩人。は孝通。虔州南康県の出身。

略歴[編集]

開元14年(726年)の進士。右拾遺・集賢院待制・著作郎などを歴任したが、世の乱れを見て官界に望みを絶ち、辞職して江東(長江下流の南岸地方)の別荘に隠棲した。

詩人としての彼[編集]

代表的作品に、『宿竜興寺(竜興寺に宿る)』(五言律詩)がある。

宿竜興寺
香刹夜忘歸 香刹(こうせつ) 夜 帰るを忘る
松清古殿扉 松は清し 古殿(こでん)の扉
燈明方丈室 灯は明らかなり 方丈の室
珠繋比丘衣 珠は繋(か)く 比丘(びく)の衣
白日傳心靜 白日 伝心静かに
青蓮喩法微 青蓮(せいれん) 喩法(ゆほう)微なり
天花落不盡 天花 落ちて尽きず
處處鳥銜飛 処処に鳥の銜(ふく)みて飛ぶ

出典[編集]