キッチン・キャビネット
キッチン・キャビネット (英:Kitchen Cabinet) とは、第7代アメリカ合衆国大統領ジャクソンが非公式に組織した政策集団のことである。「Kitchen Cabinet」は「食器棚」とも訳せるが、この場合は「台所内閣」の意味である。彼らがホワイト・ハウスに出入りする際、人目を避けるために裏口(台所口)を使用したことからこの名が付いたとされる。
概要
1829年の政権発足後しばらくの間、ジャクソンは公式閣議をほとんど開催せず、政策はジャクソンと親しい有識者らによる会合で形成された。構成員の中には、フランシス・ブレア (Francis Preston Blair, 1791 – 1876) 、ダフ・グリーン (Duff Green, 1791 – 1875) 、エイモス・ケンダル (Amos Kendall, 1789 – 1869) といった、当代の著名なジャーナリストもおり、政府寄りの記事を書いて政権を側面から援護した。ケンダルは、『グローブ (Globe:ブレアが編集する政治雑誌) 』誌上でジャクソンの政策を盛んに擁護した。
1831年の内閣改造で副大統領カルフーンを支持する閣僚が軒並み更迭されてからは、閣僚の意見がより重視されるようになり、キッチン・キャビネットは次第に重要性を失っていった。