イミダゾリン

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イミダゾリン
イミダゾリン
IUPAC名4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール
分子式C3H6N2
分子量70.093
CAS登録番号504-75-6
SMILESC=1NCCN=1

イミダゾリン (imidazoline) は、イミダゾールから誘導される含窒素複素環化合物である。環にはイミン結合が含まれ、4位と5位の炭素はイミダゾールと異なって単結合である。イミダゾリンはグアニジンアミジンと類似の構造を持っている。

イミダゾール類の関係


第2世代グラブス触媒

イミダゾールの場合と同様に、イミダジンを基本骨格とする物質も、多くの遷移金属の安定カルベンとして使われる。市販の第2世代グラブス触媒の構造の中にも見られる。

生物学的役割

多くのイミダゾリンは生理活性を持っている[1]。生理活性を持つイミダゾリンは、窒素原子に挟まれる炭素原子にアリル基やアルキル基が置換していることが多い。ナファゾリンなどが知られている。

受容体

イミダゾリンには、I1-イミダゾリンレセプターなどのいくつかの受容体がある。I1-イミダゾリンレセプターはホスファチジルコリンの加水分解を引き起こし、ジアシルグリセロールアラキドン酸エイコサノイドなどを生成する[2]。さらにナトリウム-水素対向輸送体を阻害し、カテコールアミン合成を促進する。I1-イミダゾリンレセプターのシグナル伝達経路はインターロイキンのものに類似している[2]

出典

  1. ^ N. MacInnes and S. Duty (2004). “Locomotor effects of imidazoline I2-site-specific ligands and monoamine oxidase inhibitors in rats with a unilateral 6-hydroxydopamine lesion of the nigrostriatal pathway”. Br J Pharmacol 143 (8): 952-959. doi:10.1038/sj.bjp.0706019. 
  2. ^ a b The I1-Imidazoline Receptor and Its Cellular Signaling Pathways PAUL ERNSBERGER, Departments of Nutrition, Medicine, Pharmacology, and Neuroscience, Case Western Reserve School of Medicine, Cleveland, Ohio 44106-4906, USA