アトミックのおぼん

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アトミックのおぼん』は、杉浦幸雄による日本漫画作品であり、同作を原作とした1961年(昭和36年)製作・公開の日本の映画、同じく1964年(昭和39年)制作・放映の日本のテレビドラマである。また、その主人公の名前(二つ名)である。

略歴・概要

1947年(昭和22年)、『ホープ』(実業之日本社)に連載を開始し、1959年(昭和34年)に創刊された『漫画サンデー』(実業之日本社)に移り、1963年(昭和38年)まで、連載は16年続いた。

グラマーな女スリで、おでん屋を営む「おぼん」を主人公にした、お色気漫画である。なお、おぼん自身は『漫画サンデー』における杉浦の次回作『面影の女』にもしばしば登場(スピンイン)した。

映画版では水谷良重(現在の二代目水谷八重子)が、テレビドラマ版では越路吹雪がおぼんを演じた。

映画

漫画横丁 アトミックのおぼん スリますわヨの巻

漫画横丁 アトミックのおぼん
スリますわヨの巻
Obon, The Moll Dipper
監督 佐伯幸三
脚本 柳沢類寿
原作 杉浦幸雄
製作総指揮 山崎喜暉
金原文雄
出演者 水谷良重
有島一郎
中島そのみ
音楽 いずみたく
撮影 黒田徳三
製作会社 東京映画
配給 東宝
公開 日本の旗 1961年4月16日
上映時間 69分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻
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漫画横丁 アトミックのおぼん スリますわヨの巻』(まんがよこちょう アトミックのおぼん スリますわヨのまき)は、1961年(昭和36年)製作、同年4月16日公開の日本の映画である。製作東京映画、配給東宝。同時上映は岡本喜八作品『顔役暁に死す』(主演:加山雄三)。

おぼんを演じるのは、当時21歳の水谷良重であった。本作の劇場公開初日に、ちょうど22歳の誕生日を迎えた。

スタッフ

キャスト

ストーリー

東京・神田を本拠地とする任侠「アトミック組」の女親分・おぼん姐さん(水谷良重)は、スリの神様・仕立屋銀次の末裔である。現在は、スリをすっかり辞め、おでん屋「おぼん」を営む堅気の稼業である。一方、「ヌーベル組」は辞める気配などなく、おぼんの懐までスろうとする。

おぼんは、それでもスッてしまう子分をたしなめ、スッた財布のなかの名刺を頼りに品物を返しに行く。その途中で「ヌーベル組」の学割の半太(山田吾一)がスリをするのを目撃、捕まえて品物を没収、スられた男は、偶然にも、おぼんの子分がスッた名刺の持ち主ダテノモータース社長・伊達野(有島一郎)の甥で、正木章太郎(中谷一郎)であった。ともかく半太から没収した財布を章太郎に返すと、それは章太郎のものでなかった。しかも中には10万円の大金が入っていたのだ。

伊達野に財布を返そうとするが、伊達野の財布はちゃんとあるのだった。伊達野のものと思っていた財布の中には、電話番号が大量に書かれたメモがあった。そこに書かれた番号に伊達野が電話をかけてみると、バー「おつや」のマダム(関千恵子)が電話に出た。マダムの取った電話がある部屋は、「鬼ケ島組」の鬼ケ島親分(中村是好)の秘密の部屋であった。そこでは鬼ケ島親分と闇貿易の横車押三(藤山竜一)が麻薬取引をしていたのだ。

鬼ケ島親分は、マダムに伊達野を呼び出させ、その部屋に軟禁してしまう。章太郎が先の電話番号に電話をすると、伊達野が電話に出た。鬼ケ島親分は、さらにアトミック組に警察に通報されないように、麻薬組織に囲い込むことを画策する。鬼ケ島親分の提案におぼんは快諾、めでたく宴会となった。そこへ章太郎が現れるが章太郎もそこに捕まってしまう。

大宴会の間隙を縫って、おぼんは子分たちに鬼ケ島組一味の拳銃から銃弾を抜き去らせる。「快諾」はもちろん芝居だったのだ。子分は外で花火を弾かせ、鬼ケ島組一味は警察の手入れと勘違いして大混乱、その隙におぼんは、伊達野と章太郎を連れ出し、見事に逃げ出した。子分たちが抜き出した銃弾は、秘密の部屋で暴発した。

漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻

漫画横丁 アトミックのおぼん
女親分対決の巻
Obon's Dipping Contest
監督 佐伯幸三
脚本 柳沢類寿
原作 杉浦幸雄
製作総指揮 山崎喜暉
金原文雄
出演者 水谷良重
有島一郎
中島そのみ
音楽 いずみたく
撮影 黒田徳三
製作会社 東京映画
配給 東宝
公開 日本の旗 1961年5月23日
上映時間 80分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 漫画横丁 アトミックのおぼん スリますわヨの巻
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漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻』(まんがよこちょう アトミックのおぼん おんなおやぶんたいけつのまき)は、1961年(昭和36年)製作、同年5月23日公開の日本の映画である。製作東京映画、配給東宝。同時上映は成瀬巳喜男作品『妻として女として』(主演:高峰秀子)。

スタッフ

  • 製作 : 山崎喜暉、金原文雄
  • 企画 : 宮内義治
  • 監督 : 佐伯幸三
  • 脚本 : 柳沢類寿
  • 原作 : 杉浦幸雄
  • 撮影 : 黒田徳三
  • 音楽 : いずみたく
  • 美術 : 小島基司
  • 録音 : 西尾昇
  • 照明 : 榊原庸介
  • 製作 : 東京映画
  • フォーマット : 白黒映画 - 東宝スコープ(2.35:1) - モノラル録音

キャスト

ストーリー

東京・神田のおでん屋「おぼん」の女主人のおぼん(水谷良重)は、もともとスリの「アトミック組」の女親分でもある。これまでのいきさつでダテノモータース社長・伊達野(有島一郎)の甥、堅気の正木章太郎(中谷一郎)と婚約している。子分たちにも完全にスリを辞めさせ、生業につかせないと結婚できないと考えている。

伊達野が写真をネタにユスられた。バーのマダム・大川お伝(塩沢とき)に誘惑され、夜を共にしてしまったところを盗撮されたのだ。マダムお伝はもともとユスリ稼業の大江山興業社長・大江山(藤山竜一)の女で、完全に仕組まれていたのだった。事情を知ったおぼんは、大江山の子分(人見明、竹田昭二)からネタの写真を得意技でスって没収し、伊達野を救った。

おぼんの子分、「アトミック組」のインスタントのおちか(中島そのみ)と大江山興業の坂本福一(露口茂)は、実は付き合っていた。おぼんがバーを買い取りたいと探していたことが大江山社長に伝わり、大江山はマダムお伝の店をおぼんに買い取らせようとし、おぼんは買うことにしたが、これは罠だった。

関西のスリの大物・ヌーベル婆ちゃん(笠置シヅ子)が「ヌーベル組」にやってきた。そこへ、大江山がおぼんに渡した店の権利書をスリ取る依頼をしに現れる。「ヌーベル組」の子分たちは未熟で、失敗してしまう。そこで大江山は、店の権利以外の経費として500万円をおぼんに払わせようと恐喝に出た。しかし大江山はおぼんの合気道に吹っ飛ばされてしまう。その隙におちかの手から500万円の受取証をスるヌーベル婆ちゃん。

おぼんは、ヌーベル婆ちゃんと決闘することになる。スリ勝負。そこへおぼんの愛する章太郎が現れ、その瞬間に警官はヌーベル婆ちゃんをスリの現行犯で逮捕した。おぼんの手は金品をスらずに、章太郎の手を掴んでいた。

テレビドラマ

日産スター劇場アトミックのおぼん[1]

日本テレビ 日産スター劇場
前番組 番組名 次番組
幸せが来た
アトミックのおぼん
お夏つあん

ビブリオグラフィ

国立国会図書館所蔵のもの[2]

  1. ^ テレビドラマデータベース「アトミックのおぼん」検索結果、tvdrama-db.com、2009年10月14日閲覧。
  2. ^ 国立国会図書館NDL-OPAC「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」検索結果、国立国会図書館、2009年10月13日閲覧。

外部リンク