コンテンツにスキップ

アッベ数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ZéroBot (会話 | 投稿記録) による 2012年3月28日 (水) 16:15個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (r2.7.1) (ロボットによる 追加: uk:Число Аббе)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

アッベ数(Abbe's number)または逆分散率は、透明体の色分散(屈折率の波長による変化)を評価する指標である。ドイツの物理研究者エルンスト・アッベ(Ernst Abbe, 1840年 - 1905年)の名前からきている。

定義

材料のアッベ数 は、フラウンホーファー線波長における屈折率によって定義される。以下に示すようにいくつかの定義があり、添え字によって区別される。:

ただし

:フラウンホーファーのD線(589.3 nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのd線(587.56 nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのF線(486.1 nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのC線(656.3 nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのF'線(488.0nm)に対する屈折率
:フラウンホーファーのC'線(643.9nm)に対する屈折率

一般的にはまたはまたはが用いられることが多い。 分散率はアッベ数の逆数である。分子・分母とも無次元なので、アッベ数は無次元数である。

アッベ数と光学ガラス

アッベ数は光学ガラスの評価に用いられる。たとえば、フリントガラス < 50 でクラウンガラス > 50である。 値は高密度のフリントガラスの約20から、クラウンガラスの 60ぐらいまで分布している。 アッベ数が大きいことは分散が小さいことを示す。 各種の光学ガラスの光学的性質は、横軸にアッベ数、縦軸に屈折率をとった図(nd-d ダイアグラム)によって整理されることが多い。