アッベ数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アッベ数(Abbe's number)または逆分散率は、透明体の色分散(屈折率の波長による変化)を評価する指標である。ドイツの物理研究者エルンスト・アッベ(Ernst Abbe, 1840年 - 1905年)の名前からきている。

定義[編集]

材料のアッベ数 {\nu} は、フラウンホーファー線波長における屈折率によって定義される。以下に示すようにいくつかの定義があり、添え字によって区別される。:

{\nu}_{\rm D} = \frac{ n_{\rm D} - 1 }{ n_{\rm F} - n_{\rm C}}
{\nu}_{\rm d} = \frac{ n_{\rm d} - 1 }{ n_{\rm F} - n_{\rm C}}
{\nu}_{\rm e} = \frac{ n_{\rm e} - 1 }{ n_{\rm F'} - n_{\rm C'}}

ただし

n_{\rm D} :フラウンホーファーのD線(589.3 nm)に対する屈折率
n_{\rm d} :フラウンホーファーのd線(587.56 nm)に対する屈折率
n_{\rm F} :フラウンホーファーのF線(486.1 nm)に対する屈折率
n_{\rm C} :フラウンホーファーのC線(656.3 nm)に対する屈折率
n_{\rm e} :フラウンホーファーのe線(546.1nm)に対する屈折率
n_{\rm F'} :フラウンホーファーのF'線(488.0nm)に対する屈折率
n_{\rm C'} :フラウンホーファーのC'線(643.9nm)に対する屈折率

一般的には{\nu}_{\rm d}またはまたは{\nu}_{\rm e}が用いられることが多い。 分散率はアッベ数の逆数である。分子・分母とも無次元なので、アッベ数は無次元数である。

アッベ数と光学ガラス[編集]

アッベ数は光学ガラスの評価に用いられる。たとえば、フリントガラス{\nu} < 50 でクラウンガラス{\nu} > 50である。{\nu} 値は高密度のフリントガラスの約20から、クラウンガラスの 60ぐらいまで分布している。 アッベ数が大きいことは分散が小さいことを示す。 各種の光学ガラスの光学的性質は、横軸にアッベ数、縦軸に屈折率をとった図(nd-{\nu}d ダイアグラム)によって整理されることが多い。