ほ座デルタ星

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ほ座デルタ星は、ほ座を構成する恒星の一つ。ほ座ではγ星に次いで明るく、全天でもかなり明るい星の部類に入る。それにも関わらず、固有名称が存在しなかったため、時折中国由来の名称である「Koo She」(クー・シー、中国語で弓矢のこと)が与えられることがある。

視等級は1.95で、スペクトル型はA1V/G0V。2.02等の主星と5.1等の伴星、さらに10等級以下の2つの連星を持った四重連星となっている。距離は80光年。

同恒星は以下のエピソードがある。それは、1989年の木星探査機「ガリレオ」が姿勢確認のために観測を続けていたこの星を見失ったというものである。これにより、ほ座デルタ星は、実は変光星ではないかと疑われた。後の1997年、米アマチュアカメラマンによって、45日周期で微量に減光する食変光星であることが実証された。これだけ明るい星が変光することが今まで見落とされていたことは、天文学上で大きな衝撃を与え、また未知の変光星発見の可能性を示唆する出来事となった[1]

また、りゅうこつ座のε星、ι星、ほ座のκ星とともにニセ十字を構成する星としても知られる。

脚注