おじいさん
おじいさん(お爺さん/お祖父さん)とは、日本語において直系二親等の尊属にあたる男性(祖父)、もしくは高齢の男性を指す一般語として使用される。対義語はおばあさん、または孫息子。
表記
ひらがなで表記される場合が多いが、漢字での表記は「お爺さん」。親族男性のおじいさんは(当て字ではあるが)「お祖父さん」と書き分ける場合もある。
意地悪で素行の悪いおじいさんに対しては「ジジイ」と蔑称されることもある。蔑称は、中年の男性に使われる場合や、20代前半以降の男性に対して使う場合もある。
ウクライナ語でもジジ(Жіжі)はおじいさんの親称である(ラテン系言語だと女性名になる。詳しくはジジを参照)。
意味
おじいさんという語の指す意味は、細かく分けると次の12つに分類できる
- 父の父
- 母の父
- 夫の父の父
- 夫の母の父
- 夫の父の祖父
- 夫の母の祖父
- 妻の父の父
- 妻の母の父
- 妻の父の祖父
- 妻の母の祖父
- 1~2と同年代以上の高齢の男性
- 1.や2.や11.などに相当する男性が使う自称
1人について、必ず1.の父の父に当たる祖父と、2.の母の父に当たる祖父がおり、日本語では系統を区別するには「父方」や「母方」を付けて区別する。中国語では1.の父方を「爺爺( yéye)」、2.の母方を「外公(wàigōng)」、「公公(gōnggong)」、「姥爺(lǎoye)」と呼び、明確に区別する。
結婚すると、配偶者の祖父を義理のおじいさんとして扱うことになり、3.と4.または7.と8.が発生する。配偶者の祖父を「大舅」ともいう。中国語において父方の3.には「太公(tàigōng)」、7.には「太岳父(tàiyuèfǔ)」「岳祖父(yuèzǔfǔ)」という呼び名があるが、父方の3.と7.は1.と同様に呼ぶしかなく、明確に区別されない。
おじ(親の兄弟)やいとこ(親の甥姪)も父方と母方の2系統が存在し、おじ・おばの舅は自身とは親族関係は発生しないが、おじいさんと呼ぶ場合も多い。ただ、よほど親密な関係がない限りは、感覚としては11.に近い。
また、親のおじ、即ち祖父母の兄弟は「大おじ」と呼ばれるが、続柄以外の呼称としては「おじいさん」と呼ばれる事も多い。更に、配偶者の祖父を「大舅」ともいう。1人につき祖父母は4人(父方祖父、父方祖母、母方祖父、母方祖母)いる為、曽祖父や大おじ以下の子孫(親のいとこ[祖父母の甥姪]、はとこ[祖父母の大甥大姪])は4系統が存在する。
親の祖父、即ち祖父母の父に当たる曽祖父は「ひい」をつけ、「ひいおじいさん」と呼ぶ。中国語では5.と9.父と母の父方を「祖爺爺(zǔyéye)」、「太爺爺(tàiyéye)」6.と10.父と母の母方を「祖外公(zǔwàigōng)」、「太外公(tàiwàigōng)」、「祖姥爺(zǔnlǎoye)」、「太姥爺(tàilǎoye)」と呼び、明確に区別する。
12.のように高齢の男性が孫のような年少の人たちに対して呼びかける一人称代名詞のように用いられる例もある。中国語において高齢の男性が「老爺爺(lǎoyéye)」、「祖爺爺(zǔyéye)」よほど親密な関係がない限りは、感覚としては11.に近い。
高齢の男性が孫のような年少の人たちに対して呼びかける自称としても用いられることがある。丁寧語接頭辞の「お」を取り、「じいさん」、「じいちゃん」と言う場合もある。1人につき父の父に当たる祖父と母の父に当たる祖父がおり、父方の祖父は「内祖父」、母方の祖父は「外祖父」と呼ばれる場合もある。従って、おじ(親の兄弟)やいとこ(親の甥姪)も父方と母方の2系統が存在する。おじ・おばの舅は自身とは親族関係は発生しないが、おじいさんやおじいちゃんと呼ぶ場合も多い。
含意
民話や昔話の老夫婦の男性を指す語としてしばしば用いられる。「死」や「異界」に近い存在として仙人や魔法使い、神のイメージとしてしばしば用いられる。祖父は稀に片親より年少の場合もみられる(母方の祖父が父親より年少など)。