Wikipedia:井戸端/subj/政見放送の画像利用について

政見放送の画像利用について[編集]

Commons で議論をしている([1])のですが、こちらで何か参考になる御意見をいただければと思い質問いたします。経緯としては、私が政見放送のキャプチャ画像を Commons にアップロードしたところ、ライセンス情報不足とのことで削除されていたので復帰の依頼を行っているところであり、当該の依頼における私の見解は、政見放送は著作権法40条により一般の著作物としては保護されず、さらにこれまでの経緯から著作隣接権を有する筈のNHK(この場合)と総務省は二次利用を制限しないものと理解できる、というものです。

これに対し、Commons において、著作権法40条の「同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き」という制限に関して、将来の可能性として Commons に集積された政見放送をさらに利用してこの制限に抵触する利用形態で用いられる可能性があるため、フリーなものとしてアップロードするのは問題があるのではという指摘がありました。この指摘はなるほどと思えるものでしたので、日本語版 Wikipedia において、過去に政見放送の利用についての合意や議論がありましたら参考にしたいと思い、お伺いする次第です。(私が調べた範囲では2007年時点で一件議論があり(Wikipedia:削除依頼/画像:Aaa 73.jpg)、このときは削除されています。)

なお Commons には少なくとも10件程度の政見放送画像のアップロードがあり、その多くは日本語版 Wikipedia で利用されています(鈴木信行又吉イエス三井理峯深作清次郎津田宣明赤尾敏等)。--Graham6p会話2013年2月16日 (土) 15:10 (UTC)[返信]

コメント
  • 公選法上の見地からいうと、まず第一に、政見放送ビデオを改編したか否かは関係ありません。政見放送を行う放送事業者が内容を改変して政見放送を行えば同法150条違反ですが、ウィキペディアはそもそも当該の放送事業者ではないので、その映像が政見放送と同一内容かどうかにかかわらず選挙期間中に政見放送以外で選挙運動用の動画映写を行うこと自体が一切不可です(同143条2項)。また、ネットで文書図画を掲示する行為は同法142条・143条のポジティブリストに一切規定されていないため、動画以外の文書図画もすべて、選挙運動にわたるホームページ掲載を行えば一律にアウトです(選挙期間前も含め、事前運動に該当すればアウトです)。
  • 選挙期間中は選挙運動でない広報活動も制限されるので、候補者画像の出所が政見放送の一場面と同一であってもなくても、媒体が写真でも文字でもイラストでも、候補者名や類推事項(広く知られた通称や顔写真や似顔絵など)が書かれた文書図画を選挙期間中にアップロードすることは基本的に不可です(公職選挙法146条)。ただし、選挙期間以前(公示日or告示日前)から公開されているコンテンツを更新せずに掲示し続ける場合は許容されています(明文規定ではないですが、選挙期間中の頒布行為ではないということで、総務省・各自治体選管の見解としてほぼ定着している筈です)。もちろん、選挙運動にわたる記載内容でないことが絶対条件です。
  • 第三種郵便物扱いの新聞・雑誌や放送事業者による報道・評論は公選法の例外です(同148条)。ウィキペディアでそれらの報道活動をそのまま模倣できると考えるべきではありません。
  • したがって、選挙期間中にそのような投稿がみられた場合には速やかに一旦削除した上で、特筆性や中立性などウィキペディアの各種方針に照らして問題のないものであるならば選挙期日以降に再アップロードしてもらうのが最善と思います。
--ディー・エム会話2013年2月17日 (日) 15:56 (UTC)[返信]
コメントその2
  • 著作権の観点からすると、政見放送は必ずしも公開して行われた政治演説だけを収録しているわけではありませんから、「政見放送は著作権法40条により一般の著作物としては保護されず」ということは一概にいえないと思います。政見放送は、放送局(NHK)で収録する方法と候補者・政党が自前で発注・作成したビデオを放送局に持ち込む方法と2通りがありますが(候補者・政党が任意に選択)、前者の場合は全編が非公開でのスタジオ撮りとなりますし、後者の場合において公開して行われた政治演説のシーンを含んでいることがあったとしても(実際にありましたが)それだけで全編を構成していることは通常ありえないと思いますので、画像を確認して判断するしかないでしょう。
  • 著作権に関して、総務省は別段関係ないと思います。
--ディー・エム会話2013年2月17日 (日) 16:29 (UTC)[返信]
上記、若干修正しました。(公示・告示前でも事前運動禁止なので説明が変だった部分のざっくりな修正 & 法律の条文にそって「公開して行われた政治演説」に文言変更)--ディー・エム会話2013年2月18日 (月) 04:00 (UTC)[返信]
御意見ありがとうございます。提示した削除依頼の議論に沿っての御指摘と思いますが、選挙期間中のアップロード等に関しては公平性等の観点からも問題が指摘されておりますので、これに関しては避けるべきものと理解しております。公選法の問題をクリアしたものとして、Commons からの二次(三次)利用の際に著作権法40条の「同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き」という制限に抵触する恐れがあるという指摘に関してはいかがでしょうか。また私見ですが、ディー・エム様がコメント2で御指摘の2方式に関しては、いずれも政見放送として放送された段階で「公開の政治演説」となる気がいたしますので扱いに差を設けなくともよいのではと思いますが、いかがでしょうか。--Graham6p会話2013年2月17日 (日) 18:56 (UTC)[返信]
(上記の私のコメントを若干修正しました。)
政見放送と一口にいっても内容は自由なのでインタビュー形式や座談会形式あるいはナレーションと映像の組み合わせなど、政党によって(あるいはプログラム内のシーンによって)表現方法が様々であること、そして収録が公開して行われたのかどうかということ、また仮に政治演説自体が自由に利用可能であってもその政治演説を含む著作物を利用する場合にはその権利関係がどのようにクリアされているのかということ、そのあたりを考慮する必要があるのではないかと思います。
実際の判例を知っているわけではないので直感的な説明になってすみませんが、政見放送以外も含めて考えた場合に、もし仮に、たとえばNHKの『視点・論点』のような評論番組や、政治家が出演するトーク番組にまで著作権の制限が及びうる解釈が妥当かどうかと考えると、現実との間で多少無理がある気がします。--ディー・エム会話2013年2月18日 (月) 04:00 (UTC)[返信]

──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────── 引き続き御意見ありがとうございます。Commons における当初の議論はとりあえず明快なライセンス情報が認められずということで一旦終了となりました([2])が、可能であればこちらで引き続き御意見をいただきたく思います。場合によっては Commons のアップロード画像に関して削除を依頼せねばならない可能性もあり、日本語版 Wikipedia としての共通理解を得られればとも思います。

ディー・エム様の御指摘はそれぞれ尤もであると思いますが、私見では、前提として政見放送に関してはその内容の如何を問わず、著作権の扱いにおいて一般の番組とは異なる扱いがされております。たとえば[3]の著作権法注釈では「公職選挙法150条1項による政見放送」自体が(いかなる構成で作成されているかに関わりなく)「政治上の演説または陳述」に該当するものと指摘しています。[4][5]のような昨今のネット上での二次配信、および Commons における [6][7][8] などのアップロードもこうした前提を共有しているものと思います。私も Commons で指摘されるまではその前提からアップロード可能なものと判断しておりましたが、Commons での指摘の要点は仮にこれを前提とした場合でも Commons からの二次(三次)利用の際に著作権法40条の「同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き」という制限に抵触する恐れがあるのでは、というものでした(すなわち、YouTube へのアップロードやその他の二次利用が可能であっても、自由に再利用可能なものとして配信することを前提とする Commons へのアップロードは認められない可能性がある)。これについては何か御意見のあります方がおられましたらお願いいたします(無論ほかの論点でも構いません)。--Graham6p会話2013年2月18日 (月) 17:55 (UTC)[返信]

  • 関連資料の提示ありがとうございます。もしもその言説のとおりに政見放送のコンテンツ全体が著作権法40条による自由利用の対象だとすると、すなわち条文中の「公開して行われた」を「公開を予定して行われた」に、「政治上の演説又は陳述」を「政治上の演説又は陳述を含んだ映像・音声の著作物」にそれぞれ読み変え可能ということにほかならず、一般的な語彙としての「政治演説」(一般的には国会での所信表明演説や政治団体の集会演説・街頭演説などが典型かと)の範疇からは少々飛躍した解釈に思えますので、相応の論拠がないとにわかには頷きがたいという印象を持ちます。
  • あくまで条文で明示的に示されているのは「政治上の演説又は陳述」ですから、当該演説の実演や演説原稿を自由に二次利用することは確実に許容されるとしても、逆にその著作物の中の演説内容を全く含まない部分(たとえばつなぎのBGMとか音声を除去した映像のみとか)だけを抽出して利用することまで許容されるとなると、その場合は演説そのものは全く利用していないわけで、条文の趣旨との整合性に少々無理があるようにも思います。
  • 現実問題としては、政見放送の画像キャプチャなどをアップロードしたからといって文句を言われることはまず無いとは思いますし、それらの削除を積極的に支持するわけではありませんが、諸手を挙げて賛成はしかねるかな、というのが個人的な認識です。
  • 気が回らず肝心のご質問を後回しにしてしまいましたが、CC-BY-SAは著作物の利用制限と両立する規定を備えていますので(Wikipedia:クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植#2. 公正利用の権利および8. 細則 のC)その点は全く問題ない筈です。--ディー・エム会話2013年2月19日 (火) 15:50 (UTC)[返信]