HLB値

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HLB値(エイチエルビーち)とは界面活性剤(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値である。 HLBはHydrophile-Lipophile Balanceの頭文字を取ったものである。 日本語訳としては親水親油バランスという語があるがあまり使用されていない。

この概念は1949年にAtlas Powder Companyのウィリアム・グリフィンによって提唱された。 HLB値は0から20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く20に近いほど親水性が高くなる。 計算によって決定する方法がいくつか提案されている。

  • アトラス法:エステル系の界面活性剤について、鹸化価をS、界面活性剤を構成する脂肪酸の酸価をAとし、HLB値を20(1-S/A)で定義する。
  • グリフィン法:HLB値=20×親水部の式量の総和/分子量で定義する。
  • デイビス法:官能基によって決まる基数を定め(例えばメチル基やメチレン鎖は親油基で0.475、水酸基は親水基で1.9など)、HLB値=7+親水基の基数の総和-親油基の基数の総和で定義する。
  • 川上法:HLB値=7+11.7log(親水部の式量の総和/親油部の式量の総和)

界面活性剤の混合物のHLB値は各成分のHLB値の加重平均となる。

標準試料にHLB値を決定したい界面活性剤を添加して乳化し、実験的に決定する方法もあるが煩雑であるためあまり行われない。 高速液体クロマトグラフィーでの保持時間から決定する方法もある。

HLB値によってその界面活性剤の性質や用途もある程度決定される。

  • HLB値が1-3程度では水にほとんど分散せず、消泡剤などに使用される。
  • HLB値が3-6程度では一部が水に分散し、w/o型エマルジョン乳化剤として使用される。
  • HLB値が6-8程度ではよく混合することによって水に分散して乳濁液となり、w/o型エマルジョンの乳化剤、湿潤剤として使用される。
  • HLB値が8-10程度では水に安定に分散して乳濁液となり、湿潤剤やo/w型エマルジョンの乳化剤として使用される。
  • HLB値が10-13程度では水に半透明に溶解し、o/w型エマルジョンの乳化剤として使用される。
  • HLB値が13-16程度では水に透明に溶解し、o/w型エマルジョンの乳化剤、洗浄剤として使用される。
  • HLB値が16-19程度では水に透明に溶解し、可溶化剤として使用される。

関連項目[編集]