80 PLUS

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80 PLUSは、コンピュータ電源ユニットの電力変換効率に関する規格の1つである。デスクトップ型、およびサーバー型のコンピュータに用いられる複数の電圧出力が求められる電源ユニットにおいて、交流入力から直流出力へ変換する際に、電力変換効率が80%以上の変換効率を備える製品に与えられる認証である[1]。デスクトップ型ではATX電源の性能表示に用いられることが多い。

概要

"80 PLUS"規格の入力電圧は、AC 115VとAC 230Vにそれぞれ基準が存在し、負荷率20%、50%、100%の各点において、いずれも80%以上の変換効率の基準を満たし真の力率が0.9以上の製品に与えられる規格である。規格には変換効率が低い順にスタンダード、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、チタンの6つのランクが定められている[1]。当初、最上級のチタンは230Vでしか定められていなかったが、その後115Vについても定められている。"80 PLUS"に対応することで電力変換効率の向上した電源ユニットは、発熱の減少によって冷却ファンの回転数の低下による静音化や電子部品の劣化低減が可能になり、コンピュータの快適性や省電力性の向上と同時に製品寿命も伸びるようになった[2]

変換効率によるランク付け

80 PLUS 115V 非冗長 230V 冗長
電源負荷率 10% 20% 50% 100% 10% 20% 50% 100%
80 PLUS スタンダード 80% 80% 80%
80 PLUS ブロンズ 82% 85% 82% 81% 85% 81%
80 PLUS シルバー 85% 88% 85% 85% 89% 85%
80 PLUS ゴールド 87% 90% 87% 88% 92% 88%
80 PLUS プラチナ 90% 92% 89% 90% 94% 91%
80 PLUS チタン 90% 92% 94% 90% 90% 94% 96% 91%

歴史

  • 2003年から2005年にかけて、Ecova Plug Load SolutionsとElectric Power Research Instituteによって、デスクトップ用マルチ出力用電源の電力効率の規格を定めた。
  • 2004年3月ACEEE の市場変化に関するシンポジウムで80 PLUSが発表された。
  • 2008年、より高効率な3つの基準、ブロンズ、シルバー、ゴールドを80 PLUSの規格に加えた。
  • 2009年、ゴールドを上回る基準であるプラチナを新たに80 PLUSの規格に加えた。

脚注

  1. ^ a b 80 PLUS Certified Power Supplies and Manufacturers - plugloadsolutions.com (英語、2012年1月6日閲覧)
  2. ^ About us

関連項目

外部リンク