許白雲文集

『許白雲文集』（きょはくうんせんせいぶんしゅう）は、14世紀に成立した元代の許謙(1270-1337)による文集。題名は許謙が白雲と号したことに拠る。

概要

許謙は浙江金華の出身で、金履祥に学んだが、モンゴル朝廷への仕官を望まず東陽の八華山で講学した人物であった。本書は明代に入り、金台の李伸が残された原稿を1447年(正統12年)に纏めたものである。

本書は全4巻で、詩1巻・文3巻で構成され、巻末に「学箴」が付される。1466年(成化2年)に江浦の張瑄が広東で始めて発刊した後、1518年(正徳13年)に金華の陳綱が再刊している。『四部叢刊続編』に張瑄の成化刊本が影印で収録されており、これが主に用いられている。

内容

巻目	巻題	節目
巻1	詩	四言古詩、五言古詩、五言律詩、七言古詩、七言律詩
巻2	賦・序・記	賦：擬古𢧐塲賦、序：贈李仲謙序、送胡古愚序、送郭子昭序、送林中川序、送尉彦明赴開化教諭序、送許克勤赴新昌教序、送𨔡公平赴武義教序、記：故朝列大夫婺州路総𬋩府治中致仕朱公壙記、総管黒軍石抺公行状、治書侍御史趙公行状
巻3	啓・文・書	啓：荅潘明之啓、上憲使劉約齋啓〈辞挙茂異〉、回潘県尉啓、賀憲使敬威卿除江西参政啓、賀蕭北野万戸破賊啓、文：復張子長文、代副使趙公𥙊扎忽䚟平章、代副使趙公𥙊王仁卿中丞、𥙊朱治中文、書：上宋經厯書、上李照磨書、荅吴正傅書、上劉約齋書、与趙伯器書〈延祐乙卯〉、代人上書𥙷儒吏
巻4	論・説・雑著	論：学校論、朋黨論、雍姬論、説：夾谷可与字説、姚原魯字説、雑著：䟦潘明之𠩄蔵吾立衍書素書、䟦陳君采家蔵東坡墨蹟、䟦妙沙經、回南䑓都事鄭鵬南凂㸃書伝書〈盖鄭有讀書凡例之問〉、䟦趙閑閑註心經、書菴賛為石抺執中作、北野兀者賛〈并序〉、李齊賢真賛、題趙仲眀神、荅或人問、七政疑、八華講義、題節婦朱氏詩巻、詞：次韻潘明之祝英䑓 秋思、蝶戀花
附録	附録
補	補
跋	跋

参考文献

• 植松正「許白雲集」『中国史籍解題辞典』燎原書店、1989年