稲葉市郎右衛門
12代 稲葉 市郎右衛門（稻葉 市郎右衞門、いなば いちろううえもん、1846年9月14日（弘化3年7月24日[1][2]）- 1915年（大正4年）7月8日[1][3]）は、明治から大正初期の地主、銀行家、政治家。衆議院議員。幼名・正吉、元服後は新一郎[1]。
経歴[編集]
丹波国熊野郡久美浜村[1]（京都府[3]熊野郡久美浜村、久美浜町を経て現京丹後市）で、地主・11代稲葉市郎右衛門（餘庵）、りう の二男として生まれる[1][2]。漢学を修めた[1][3]。1871年（明治3年12月）家督を相続し[2]12代市郎右衛門（英裕）と改名した[1]。
明治維新後、久美浜県の勧産用掛頭取に就任[1][3]。同県小学校世話掛兼句読師心得、熊野郡第二区戸長を歴任[1][3]。1872年（明治5年6月）豊岡県第九大区区長に公選[1]。同県徴兵議員・地券掛・学区取締を兼務し[1][3]、さらに同県第一大区（但馬国全域）副区長、同区長を歴任した[1]。
1879年（明治12年）3月、京都府会が開設され同議員に選出[1]。4期在任し、1886年（明治19年）10月に辞任[1]。この間、第五組幹事、常置委員予備員などを務めた[1]。1880年（明治13年）熊野郡内の有志により同仁会を組織して国会開設請願運動に尽力するなど、奥丹後地方の自由民権運動を推進した[1]。
1886年10月、熊野郡長に就任[1]。竹野郡、中郡の郡長も兼任し、京都府教育会熊野郡部会長も務めた[1]。郡長を辞職し[1]、1894年（明治27年）9月、第4回衆議院議員総選挙（京都府第6区、大手倶楽部）で当選し[1][4]、その後、進歩党に所属し衆議院議員に1期在任した[3]。1899年（明治32年）9月、熊野郡会議員に選出され初代議長を務めた[1][3]。
1896年（明治29年）9月、久美浜銀行を設立して頭取に就任し死去するまで在任[1][2][3]。また1898年（明治31年）9月、京都府農工銀行設立委員となり、1899年（明治32年）5月、同行設立に伴い取締役に就任した[1][2][3]。
親族[編集]
- 長男 稲葉市郎右衛門 (13代)（京都府会議長）[5]
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 『衆議院議員総選挙一覧 上巻』衆議院事務局、1915年。
- 人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
- 京都府議会事務局編『京都府議会歴代議員録』京都府議会、1961年。
- 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。