朗詠百首

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朗詠百首(ろうえいひゃくしゅ)は、『和漢朗詠集』などの詩句を題とし、和歌に翻案したもの[1]

作者は、その巻末識語から、藤原家隆と考えられていたが、近年、研究がすすみ、藤原隆房久安4年(1148年) - 承元3年(1209年))を作者とすることにほぼ間違いはないと考えられている[1]。成立は、隆房の若い時期の習作と考える説(鈴木徳男)や、治承元年(1177年)以降、正治2年(1200年)以前とする説(佐藤恒雄)、文治建久期、遅くとも正治以前とする説(上野順子)などがあり、はっきりしない。

出典[編集]

  1. ^ a b 上野順子「『朗詠百首』について」『中世文学』第38巻、中世文学会、1993年、43-53頁、doi:10.24604/chusei.38_43 

参考文献[編集]

  • 鈴木徳男「『朗詠百首』考」『高野山大学国語国文』第8号(1982年3月)
  • 佐藤恒雄「『朗詠百首』をめぐって」『香川大学教育学部研究報告 第Ⅰ部』第82号(1991年3月)
  • 上野順子「『朗詠百首』について―その成立に関する試論―」『中世文学』第38号(1993年6月)