旧日野医院

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旧日野医院(きゅうひのいいん)は、大分県由布市にある歴史的建造物。国の重要文化財

概要[編集]

本館、病棟、離れの3棟が1999年(平成11年)12月1日に国の重要文化財に指定された。明治時代の病院建築として、本館・病棟が揃って残っている例は日本全国でも珍しく、近代医学黎明期の歴史を知るうえで、重要な建築物である[1]

本館は棟木銘から1894年(明治27年)の上棟であることがわかり、当時の院長日野要(かなめ)が地元の大工に依頼し建造したものである。当初は薬局として開業し、病院となったのは1899年(明治32年)である。1978年(昭和53年)頃まで診療所として用いられ、1995年(平成7年)の保存工事をへて、現在は医療機器等の資料館として公開されている[1]

  • 本館 - 木造2階建て、寄棟造、桟瓦葺き。1894年の上棟。正面中央に玄関ポーチとベランダを突出させた擬洋風建築である。壁面は白漆喰塗だが、四隅に柱形を表すなど、石積風の意匠に仕上げている[1]
  • 病棟 - 本館東側に建つ細長い建物。木造2階建て、寄棟造・桟瓦葺き。本館の完成後、1899年の病院としての開業までの間の建造とみられる[1]
  • 離れ - 本館背後に建つ。木造平屋建て、桟瓦葺き。東側の便所、風呂場、脱衣所は本館と同時の建築で、西側の座敷は後の増築である[1]

所在地[編集]

〒879-5113 大分県由布市湯布院町川西467の4番地

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 文化庁文化財保護部「新指定の文化財」『月刊文化財』436、第一法規出版、2000、pp.27 - 30

参考文献[編集]

  • 旧日野医院 - 国指定文化財等データベース
  • 大分県高等学校教育研究会地理歴史科・公民科部会『大分県の歴史散歩』2008年4月25日
  • 『図説 大分・由布の歴史』郷土出版社、2007年10月8日
  • 文化庁文化財保護部「新指定の文化財」『月刊文化財』436、第一法規出版、2000

座標: 北緯33度14分31.5秒 東経131度19分26.9秒 / 北緯33.242083度 東経131.324139度 / 33.242083; 131.324139