哀愁

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哀愁』(あいしゅう)は、

  1. 寂しく、何かにつけ悲しいという気持ち。
  2. 1940年にアメリカにて製作された映画(原題は「ウォータールーブリッジ(WATERLOO BRIDGE)」)。監督はマーヴィン・ルロイ。本項目で詳述。
  3. 葵三音子のシングル曲。朝日放送制作の必殺シリーズ第6作『必殺仕置屋稼業』の主題歌。

概要[編集]

哀愁
Waterloo Bridge
映画のポスター
監督 マーヴィン・ルロイ
脚本 S・N・バーマン
ハンス・ラモー
ジョージ・フローシェル
原作 ロバート・E・シャーウッド
製作 シドニー・フランクリン
出演者 ヴィヴィアン・リー
ロバート・テイラー
音楽 ハーバート・ストサート
撮影 ジョセフ・ルッテンバーグ
編集 ジョージ・ベームラー
配給 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開 アメリカ合衆国の旗 1940年5月17日
日本の旗 1949年3月
上映時間 108分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 約1,164,000ドル
興行収入 1,250,000ドル(北米配収)
1,217,000ドル(海外配収)
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もともとは1930年6月6日に、戯曲家ロバート・シャーウッド作の二幕の舞台劇としてブロードウェイで初演されたもので、1931年にジェームズ・ホェール監督で映画化されている。舞台と1931年の映画化では、クローニン大尉はカナダ軍兵士である。

本作での主演のヴィヴィアン・リーは名画『風と共に去りぬ』の次の年の製作。『風と共に去りぬ』では、乱世を生き抜く強い女性を演じたが、『哀愁』ではその反対のか弱い踊り子を見事に演じており、リーの演技力が光っている。

舞台は、第一次大戦中のイギリス・ロンドン。イギリス軍将校のロイ・クローニン大尉(ロバート・テイラー)とバレエの踊り子マイラ・レスター(ヴィヴィアン・リー)はウォータールー橋でめぐり会う。翌日には結婚の約束をするほどに、その恋は燃え上がるが、その夜ロイは突然の召集で戦場へと向かうことになる。健気にロイの帰還を待つマイラだったが、その彼女がたまたま目にした新聞にはロイの戦死の情報が載っていた。

バレエ団を解雇されたマイラと友人のキティ(ヴァージニア・フィールド)は、生活の貧しさとロイの戦死の絶望感から、娼婦に身を落としてしまう。そしてある日、いつものように客を探しに駅で目にした光景は、何と戦死した筈のロイの姿だった。偶然の再会を喜ぶロイ。戸惑いと葛藤を隠せないマイラ。しかしロイの強い説得で、マイラはロイと結婚することを決意し、ロイの故郷スコットランドへと赴くのだった。

しかし、本当のことをロイに打ち明けられないマイラは、ロイの母親マーガレット夫人(ルシル・ワトソン)に、「ロイとは結婚できない。」と言って全てを打ち明け、翌朝ロイの屋敷を発ってロンドンへ帰る。そして思い詰めたマイラは、ウォータールー橋で軍用トラックに身を投げて自ら命を絶ってしまう。マイラが去ったことを知ったロイは、ロンドンへ戻りマイラを探すが、彼女を見つけ出すことはできなかった。

1953年に日本で制作された『君の名は』(岸惠子佐田啓二主演)は、この映画のウォータールー橋を数寄屋橋に置き換えて製作されたリメイク版である(但し、内容は大きく異なる)。

キャスト[編集]

日本語吹き替え[編集]

役名 俳優 日本語吹替
東京12チャンネル(テレビ東京版) 日本テレビ版 機内上映版 PD版
マイラ・レスター ヴィヴィアン・リー 武藤礼子 佐々木優子 谷育子 岡本章子
ロイ・クローニン ロバート・テイラー 納谷悟朗 津嘉山正種 小山力也
キティ ヴァージニア・フィールド 富永美沙子 小山茉美 深水由美
マーガレット・クローニン ルシル・ワトソン 鈴木光枝 太田淑子 拓植夏子
マダム・キーロワ マリア・オーペンスカヤ 関弘子 遠藤晴 棚田恵美子
公爵 C・オーブリー・スミス 高塔正康 北村弘一 秋元羊介
その他日本語吹き替え:吉沢久嘉飯塚昭三八代駿塚田恵美子白石冬美山本嘉子
  • 日本テレビ版
その他日本語吹き替え:清川元夢塚田正昭竹村拓さとうあい増山加穂稲葉由香子藤井朝子坂本広海
演出:壺井正、翻訳:高間俊子、調整:飯塚秀保、効果:スリーサウンド、日本語版制作:グロービジョン(担当:吉田啓介)
  • パブリックドメイン版
その他日本語吹き替え:大塚智則織間雅之小浅和大すぎもと恭子七瀬みーな雪邑ヒナタ渡邉絵理山野海前田昌巳井口泰之市川智英
演出:粂田剛、翻訳:馬島陽子、調整:遠西勝三、録音:出田美穂、音響効果:赤澤勇二、日本語版制作:ミックエンターテイメント
※ジャケットにロバート・テイラー:鈴木貴征とあるが誤植である

名場面[編集]

  • クラブでオールド・ラング・サイン(いわゆる蛍の光)が演奏され、ヴィヴィアン・リーとロバート・テイラーが曲に合わせて踊り、キャンドルが1つずつ消されていく場面は印象深い。なお、この楽曲のアレンジは原盤が存在しないため、後に日本国内でレコード化される際は、「ユージン・コスマン」名義で古関裕而が採譜・アレンジし「別れのワルツ」という題で発表されている。主に公共施設や商業施設の閉店時に用いられる楽曲は、蛍の光ではなく、この曲である。

エピソード[編集]

  • ヴィヴィアン・リーは、自身の出演作の中で最も好きな作品であると述べている[1]

脚注[編集]

  1. ^ Smith, Grey. and Breitbarth, Brad (2005). Vintage Movie Poster Signature Auction 2005 Catalog #617. New York: Heritage Capital Corporation. p.32

外部リンク[編集]